2015年度シラバス
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科目名
信号処理論 <情報>
シラバスNO
1511500472
担当教員
吉田 実
開講年次
4年次
単位
2単位
開講期
7セメスター
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
選択科目
英文科目名
Signal Processing
備考
授業概要・方法等
 電話やインターネット等の通信分野に限らず、携帯音楽プレーヤーなど、信号を取り扱うための基本となる信号処理は非常に広範囲に利用されており、信号処理技術なくして現在の高度化した社会は成り立たなくなっていると言っても良い。
 ディジタル技術全盛の今日、マイクロプロセッサを用いた信号処理が普及し、ディジタル信号処理がその中心的役割を担っている。しかしながら、信号処理を回路面から見た場合、ディジタル信号処理論と言えどもアナログ回路による処理が行われており、信号のアナログ的な解釈は不可欠である。そこで、可能な限りアナログ的な切り口で信号処理に関する説明を行いながら、信号を扱うために必要な基礎的理解を深めることを目的とする。
学習・教育目標及び到達目標
1.アナログ信号の表現方法の基礎を理解し、説明可能とする。
2.連続時信号の処理に必要な計算手法を習得する。
3.ディジタル化に不可欠な離散時間信号の性質とその特徴を説明できる。
成績評価方法および基準
定期試験 70%
演習レポート、小テスト 30%
授業時間外に必要な学修
 講義において配布する資料ならびに講義中説明された重要事項などを整理するためにノートを作成すること。講義終了後に自宅などで講義資料や重要事項をノート化することにより、復習と共に理解が不十分な箇所を発見できる。
 また、講義中に実施した小テストや例題はその応用問題まで想定して学習を実施すること。
教科書
使用しない。資料を配付するのでノートを作成する事。
参考文献
[ISBN]9784274129902 『よくわかる信号処理 (セメスタ学習シリーズ)』 (浜田 望, オーム社)
[ISBN]9784320086128 『信号処理の基礎』 (谷口慶治, 共立出版)
[ISBN]9784627783119 『ディジタル信号処理の基礎』 (宇津宮 孝一, 森北出版)
関連科目
情報理論Ⅰ、情報理論Ⅱ、通信方式、光通信工学、フーリエラプラス変換論、光通信工学、ネットワーク工学、電気回路Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ

授業評価アンケート実施方法
前期開講科目は7月頃、後期開講科目は12~1月頃に実施します。
研究室・メールアドレス
吉田教授室 (31号館2階)
yoshida@ele.kindai.ac.jp
オフィスアワー
月曜日 13時30分〜14時30分 
金曜日 15時00分〜16時00分
授業計画の項目・内容
第1回      信号処理概論
情報の伝達を担う信号の役割と、信号処理とはどのようなものであるかを知り、今後の学習の全体像を把握する。

第2回      ディジタル信号
今日の信号の中心的役割を果たしているディジタル化に必要なA/D変換の基礎を学び量子化誤差や各種のパルスパターンが理解できるようになる。

第3回      連続時間信号
連続時間信号の種類について学び、各種の信号形態について知る。また、特殊関数についても理解しそれぞれの特長と相関が理解できるようになる。

第4回      離散時間信号
時間的に連続していない離散時間信号の代表例を知り、周期性の有無を判別できるようになる。

第5回      信号の変換
信号の時間的な圧縮や伸張および奇関数と偶関数から元の信号の再現ができるようになる。また、信号処理システムの基礎を学ぶ。

第6回      信号処理システム
信号処理システムの分類について学習し、組み合わされたシステムの定義を求められる様になる。重ね合わせの定理も理解する。

第7回      フーリエ級数
どのような思考方法でフーリエ級数展開を行うのかを知ることで、その物理的な意味を理解する。また、代表的な信号を展開した際の特長を知り、問題点がわかる様になる。

第8回      フーリエ変換
フーリエ級数展開がどのような考え方で非周期的信号の周波数解析であるフーリエ変換に繋がっていくのかを理解し、インパルスの持つ特徴が理解できるようになる。

第9回      システム応答とたたみこみ
システムへの信号入出力がたたみ込みで記述出来ることをインパルス応答から導き、簡単なたたみ込みの例を実行することで、そのプロセスを理解出来るようになる。

第10回     システム応答と伝達関数
システムの応答は入力をフーリエ級数に展開した重ね合わせである。システムを記述するための伝達関数について理解する。また、測定に用いられるSパラメータの概要を説明出来るようになる。

第11回     離散時間信号処理
離散時間信号を取り扱うシステムの応答とたたみ込みについて理解し、基本的な応答出力を求められるようになる。

第12回     離散時間信号の周波数解析
連続時間信号をサンプリングして得られる信号の周波数特性を解析し、周期的な特性を持つこととサンプリングに必要な条件を学ぶ。

第13回     離散時間システムと窓関数
たたみ込みを通してナイキスト周波数が決定される仕組みを理解する。離散時間フーリエ変換の問題点を知り、窓関数の特徴を学ぶ。

第14回     フィルタ
これまでに学習した知識を利用して、いくつかのフィルタ設計手法を通して周波数成分の選択を行うフィルタに関する基礎を学ぶび、信号処理の知識と現実に利用されている回路技術の接点が理解できるようになる。

第15回     ディジタル信号の品質
PCM通信の品質を決定づけるビット誤り率や誤り発生時間率などを学習し、誤り率の改善方法の代表例としてFECについて概要を解説できるようになる。

定期試験
試験時間は60分間とする。
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