2017年度シラバス
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科目名
科学的思考演習
シラバスNO
1711900019
担当教員
稲瀨 正彦,生塩 研一
開講年次
1年次
単位
30時間
開講期
前期
分野
科目区分
基礎科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
 科学的で論理的な思考や推論は,医学生としての学習のみならず,医学的な診断や治療,最新の医学情報の収集や体系化など,様々な場面で必要とされる。この講義ではそれらの基礎となる科学的な思考法について物理学や論理学を中心として学び,プレゼンテーションやディベートを経験しながら実践的にスキルを修得する。特に,高校までの学習ではあまり要求されなかった,レポート作成やプレゼンテーションなどの表現技法について重点的に取り組む。また,医療においてもIT化が急速に進んでいるため,コンピュータを充分に活用でき,溢れる情報を充分に使いこなせなければならない。近年,世界的に普及が進められている「根拠に基づいた医療(Evidence-based Medicine)」にも科学的思考が不可欠である。それらを含めた総合的な情報リテラシーの獲得も目標とする。
学習・教育目標及び到達目標
1. 科学的な思考について理解する。 
2. 情報リテラシーを修得する。 
3. 実践を通してアウトプットに必要な技術を修得する。 
4. レポートの書き方を修得する。 
5. プレゼンテーションのスライド作成やトークの技術を修得する。 
6. ディスカッションの技術を修得する。
この科目の修得は,本学部の定めるディプロマポリシー2,4の達成に関与しています。
成績評価方法および基準
授業でのプレゼンテーション、トーク(思考・推論・発表・表現力を評価するとともに、授業への取り組み姿勢、意欲も合わせて評価する。) 50%
各回のレポート(論理性、情報リテラシー、創造力を評価する。) 50%
試験・課題に対するフィードバック方法
毎回提出するレポートや課題について,次回に解説します。
教科書
指定しない。適時プリント配布。
参考文献
[ISBN]9784790705581 『科学哲学入門―科学の方法・科学の目的 (Sekaishiso seminar)』 (内井 惣七, 世界思想社 : 1995)
[ISBN]9784062578134 『研究発表のためのスライドデザイン (ブルーバックス)』 (宮野 公樹, 講談社 : 2013)
[ISBN]9784480020475 『思考の整理学 (ちくま文庫)』 (外山 滋比古, 筑摩書房 : 1986)
この他,講義中に参考書を紹介する。
関連科目
なし
授業評価アンケート実施方法
実施規程に準拠して行う。
研究室・メールアドレス
基礎医学部門研究室
オフィスアワー
火、木曜 PM5-6時
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回      イントロダクション
高校までの暗記&テストが中心の学習方法とは異なり,積極的な姿勢でアウトプットが重視される大学での学びの方法について修得する。
予習内容:高校までに経験した学習方法で,暗記&テスト以外の方法について思い出しておく。もしくは,考えておくこと。(30分)
復習内容:授業内容を参考に,この6年間をどのような心構えで過ごすべきか考えておくこと。(30分)

第2回      科学的思考とは(1)
科学とは何か,科学的思考とは何かについて,物理学などの発展を辿りながら考える。
予習内容:科学と疑似科学の違いについて考えておくこと。(30分)
復習内容:科学の発展の歴史や,科学的思考について整理すること。(30分)

第3回      科学的思考とは(2)
前回学んだ科学的思考法を実際の思考で応用する際に気をつけるべき点について検討する。
予習内容:基礎研究と世の中で役立つこと,確証バイアス,SCAMPER法,水平思考について予習すること。(60分)
復習内容:授業で学んだ思考法と自分の思考パターンを比較検討して,自分なりに注意すべき点を整理すること。(30分)

第4回      情報処理(1) 文書作成ソフトの利用
(実習)情報アウトプット手段の一つである文書作成ソフトの使用法を習得する。特にタイピングの練習に重点を置く。
予習内容:文書作成ソフト(Wordなど)を使ってみる。文書作成ソフトやパソコン自体を持っていない場合は,使い方について予習すること。(60分)
復習内容:授業で学んだ使い方をもう一度確認しておく。また,それ以外の操作(表の作成など)も試みること。タイピングの練習もしておくこと。(30分)

第5回      情報処理(2) レポート作成方法
(実習)レポート作成方法について学び,文書作成ツールを使って具体的に簡単なレポートを作成する。
予習内容:前回学んだタイピングの練習に加え,表の作成も試してみること。(60分)
復習内容:レポート作成方法を復習し,他の科目のレポートも積極的に文書作成ソフトで作成してみること。引き続き,タイピングの練習をしておくこと。(60分)

第6回      情報処理(3) 情報リテラシー:多種多様な医学・医療情報へのアスセス方法とその実践
(実習)本学部図書館のWebサイトを使って,図書館の蔵書検索,CiNii,PubMedでの論文や書籍の検索,電子ジャーナルや電子ブックへのアクセス方法を修得する。
予習内容:興味のある症例に関する日本語論文を検索してみること。引き続き,タイピングの練習もしておくこと。(60分)
復習内容:PubMedを使って興味のある症例に関する英語論文を検索してみること。引き続き,タイピングの練習もしておくこと。(60分)

第7回      情報処理(4) 情報リテラシー:EBMと論文要旨作成
(実習)根拠に基づいた医療(Evidence-based Medicine)」について学ぶ。グループで協力して共通の症例を決めた後,グループ内で重複しないよう各自で具体的な論文からを検索する。そして,論文情報を整理してレポートにまとめる。
予習内容:興味のある症例に関する日本語論文を検索して,いくつか中身を読んでおくこと。(60分)
復習内容:EBMの考え方について整理し,PubMedを使って興味のある症例に関する英語論文を検索して中身を読んでみること。(60分)

第8回      情報処理(5) プレゼンテーションの基礎
(実習)学会や報告会での発表におけるプレゼンテーションの基礎的な技法を習得する。
予習内容:前回の授業で示されたプレゼンテーションのテーマについて,その内容を3枚のスライドで考えておくこと。(60分)
復習内容:スライド作成ソフト(PowerPointなど)の操作を復習しておくこと。プレゼンテーションで気をつけるべき点について整理しておくこと。(60分)

第9回      情報処理(6) プレゼンテーションのスライド作成
(実習)発表内容の構成を中心として解説し,具体的なテーマについて実際にスライドを作成する。
予習内容:自分のプレゼンテーションの内容に即したスライドのデザインを具体的に検討しておくこと。(60分)
復習内容:各自が作成したスライドを見ながらプレゼンテーションのリハーサルをしておくこと。(60分)

第10回     プレゼンテーション(1)
前回に作成したスライドを使って,グループ内でプレゼンテーションの練習をし,意見交換をする。
予習内容:プレゼンテーションで気を付けるべきことを意識しながら,また,時間も計りながら,本番さながらにプレゼンテーションのリハーサルをしておくこと。(60分)
復習内容:プレゼンテーションの本番に向けて,リハーサルをしておくこと。(60分)

第11回     プレゼンテーション(2)
前回グループ内でに練習したプレゼンテーションを,全員の前で行う本番に挑む(学生数の1/3)。教員だけでなく,学生同士のピアレビュー(相互評価)も行う。
予習内容:プレゼンテーションの本番に向けて,各自でリハーサルをしておくこと。(60分)
復習内容:プレゼンテーションを済ませた者は,自分のプレゼンテーションで良かった点と改善点を整理しておくこと。(60分)

第12回     プレゼンテーション(3)
本番のプレゼンテーションの第2回。前回に引き続き,一人ずつプレゼンテーションを行い(学生数の1/3),学生同士のピアレビュー(相互評価)も行う。
予習内容:プレゼンテーションの本番に向けて,リハーサルをしておくこと。(60分)
復習内容:プレゼンテーションを済ませた者は,自分のプレゼンテーションで良かった点と改善点を整理しておくこと。また,他者のプレゼンテーションで良かった点と改善点も整理しておくこと。(60分)

第13回     プレゼンテーション(4)
本番のプレゼンテーションの第3回。前回に引き続き,一人ずつプレゼンテーションを行い(残り1/3の学生),学生同士のピアレビュー(相互評価)も行う。
予習内容:プレゼンテーションの本番に向けて,リハーサルをしておくこと。(60分)
復習内容:プレゼンテーションを済ませた者は,自分のプレゼンテーションで良かった点と改善点を整理しておくこと。また,他者のプレゼンテーションで良かった点と改善点も整理しておくこと。(60分)

第14回     ディベート(1)
ディベートでは相手の意見を論破するのではなく,議論を通してよりよい結果を導くのが目的であり,論理的思考を駆使して取り組む必要がある。ここではディベートの基礎的な内容を解説する。また,グループに分かれたディベートで体験的に学ぶ。
予習内容:ディベートとはどんなものであるか自分なりに予習すること。ディベートの様子を動画で見ておくことも勧める。(60分)
復習内容:自分のグループのディベートで良かった点と改善点を整理しておくこと。(60分)

第15回     ディベート(2)
肯定・反駁・審判をそれぞれ数人のグループで編成し,本格的なディベートに挑戦する。ディベートの後で全体的な討論も行う。
予習内容:前回のディベートの反省をするとともに,他の論題でのディベート例を参考にしてディベートの準備をしておくこと。(60分)
復習内容:自分のグループのディベートや全体討論を振り返り,議論した内容の考察を深めておくこと。(60分)
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