2017年度シラバス
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科目名
人体構造Ⅱ
シラバスNO
1711900024
担当教員
重吉 康史,西村 恭昌,宮田 信吾,長野 護,松尾 拓哉,鯉沼 聡,柏木 伸夫,小塚 健倫,池田 光正,栁生 行伸,筋野 貢,池上 啓介,吉川 朋子,兵頭 朋子,田中 雅樹,小西 啓悦
開講年次
2年次
単位
100時間
開講期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
ヒトの“からだ”の成り立ちを理解するためには人体の構造と機能について学ばなければならない。まず基礎的な構造を理解し、それぞれの体の各部分部分が総合的に人体を作り上げていることを理解する。構造を理解すれば、その機能についての知識が生きたものとなる。実物標本や御献体の解剖を行うことにより、まず医学の第一歩を踏み出し、正しい知識と理解を身につけることを目標としている。
学習・教育目標及び到達目標
発生学
1. 各器官(心臓、呼吸器、消化器、脈管系、尿生殖器、感覚器系(特に眼球と聴覚器)、顔面)の発生過程を絵を描いて説明できる。

組織学
2. 各器官(呼吸器、消化器、心脈管系、泌尿器、生殖器、内分泌器、感覚器(眼球と聴覚器)の組織学的特徴を述べることができる。
3. 上記各器官の機能について形態的特徴と関連づけて述べることができる。組織的構築が機能と大きなつながりがあることを実感してほしい。
4. 組織像をみて、各器官の特徴が理解できる。

系統解剖学
5. 実習を通じてヒトの体のつくりを観察し、構造を説明することができる
6. 構造上の特徴を、機能と関係づけて説明することができる
7. CT画像において、基本的な臓器を判別することができる

これらの目標は本学の教育アウトカム「医学的知識」に関連している。また、ディプロマポリシーの「医師に必要な基礎的知識・技能の修得」につながっている。
成績評価方法および基準
試験は人体構造ユニット試験期間(6/23から6/28)に行います。講義での小テスト、レポートについても評価し、これらを総合評価して最終の成績とします。 100%
試験・課題に対するフィードバック方法
毎日、平均して3時間の学修が必要である。講義、実習にて課題を指定する。課題についてレポートを作成し提出する必要がある。それ以外にも自主的な予習、復習が望ましい。各講義、実習にて疑問をのこさないようにすることが重要である。
教科書
[ISBN]9784525103118 『解剖実習の手びき』 (寺田 春水, 南山堂 : 2004)
[ISBN]9784524261178 『人体解剖カラーアトラス』 (ピーター・ハーバート・エーブラハム, 南江堂 : 2015)
[ISBN]9784758120258 『臨床につながる解剖学イラストレイテッド』 (松村 讓兒, 羊土社 : 2011)
[ISBN]9784890133055 『カラー人体解剖学―構造と機能:ミクロからマクロまで』 (F.H. マティーニ, 西村書店 : 2003)
[ISBN]9784788807075 『医療を学ぶ学生のための解剖の手引き―モチベーションを上げる解剖実習 骨学実習・組織学総論実習・解剖学標本見学実習』 (松尾 拓哉, 時潮社 : 2016)
[ISBN]9784902496406 『CT・MRI解体新書―正常解剖』 (リブロ・サイエンス : 2012)
[ISBN]9784890133086 『最新カラー 組織学』 (L.P. ガートナー, 西村書店 : 2003)
[ISBN]9784895925730 『リープマン神経解剖学 第3版』 (依藤 宏, メディカルサイエンスインターナショナル : 2008)
[ISBN]9784765315067 『カラー図解 神経解剖学講義ノート』 (寺島俊雄, 金芳堂 : 2011)
『ラングマン人体発生学 11版』 ジェン・ラングマン MED Si
参考文献
[ISBN]9784860347734 『グレイ解剖学 原著第2版』 (Richard L. Drake, エルゼビア・ジャパン : 2011)
[ISBN]9784263731345 『ムーア人体発生学』 (キース・L.ムア, 医歯薬出版 : 2011)
[ISBN]9784524243679 『Ross組織学』 (Michael H. Ross, 南江堂 : 2010)
[ISBN]9784525100896 『日本人体解剖学 (上巻)』 (金子 丑之助, 南山堂 : 1999)
[ISBN]9784895922937 『スネル臨床解剖学』 (R.S. スネル, メディカルサイエンスインターナショナル : 2004)
[ISBN]9784524259670 『ネッター解剖学アトラス 原書第6版』 (Frank H.Netter, 南江堂 : 2016)
[ISBN]9784307003414 『解剖学―分担 (1)』 (小川 鼎三, 金原出版 : 1950)
[ISBN]9784567514903 『目でみる局所解剖学』 (ベン・パンスキー, 廣川書店 : 2000)
[ISBN]9784784932009 『解剖実習マニュアル』 (長戸康和, 日本医事新報社 : 2009)
関連科目
生理学 病理学
授業評価アンケート実施方法
実施規程に準拠して行う。
研究室・メールアドレス
研究棟4階 解剖学教室・anatomy@med.kindai.ac.jp
オフィスアワー
水曜4時から6時とします。しかし質問はいつでも受け付けます。教員がいないときもありますので、アポイントメントをとってから来る方が能率がよろしいです。
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
人体解剖実習
17.後胸壁と後腹壁、横隔膜と腰神経叢 
18.下肢の皮静脈と皮神経・大腿筋膜と大腿筋 
19.大腿前面の深層・殿部の深層
20.大腿後面の深層・膝窩と下腿後面
21.下腿の前面と足背・足底 
22.下肢の最深層・膝の関節・足の関節・膀胱とその周辺・男性の外陰部と精巣・女性の外陰部 
23.男性の会陰・女性の会陰・骨盤の切半・男性の骨盤内臓の位置・女性の骨盤内臓の位置 
24.骨盤の血管と神経・男性の骨盤内臓・女性の骨盤内臓・骨盤壁の筋と股関節 
25.頚の深層・顔の浅層 
26.咽頭・甲状腺と気管・咽頭
27.頭蓋の内面・頭の切半と口腔・鼻腔と咽頭鼻部 
28.咀嚼筋と下顎管・顎関節と側頭下窩・舌と口蓋 
29.眼球を前から見る・眼窩の内容・眼球など・舌下神経管と頚静脈孔・外耳と内耳・内耳・翼突管と頚動脈管と耳神経節 

組織学(講義・実習)
9.呼吸器組織 
気道を構成する各部位の構造

鼻翼(外皮・鼻前庭)
咽頭(鼻部・口部・喉頭部)
喉頭(喉頭蓋・喉頭前庭・室ヒダ・前庭裂・喉頭室・声帯・声門裂・声門下腔)
気管および気管支の構造
肺(葉気管支・区域気管支・気管支枝・細気管支・終末細気管支・呼吸細気管支・肺胞管・肺胞嚢・肺胞)
肺胞壁の構造とガス交換
胎児の肺

 10.骨組織 
成熟骨の組織像
骨と軟骨の組織構造の違い
骨の形成機転と成長
軟骨の形成機転と成長
骨髄の構造と造血

11.心臓・血管組織 
(1)心臓
(2)血管
(3)リンパ管

12.神経組織の特徴は情報伝達への特化
神経細胞の基本的構造と機能
神経支持細胞(神経膠細胞とシュワン細胞)の構造と機能
有髄神経線維と無髄神経線維
中枢神経組織(大脳、小脳、脊髄)と末梢神経組織の組織構築

13.生殖器・子孫を残すために
女性生殖器
(1)卵巣の構造と機能
(2)卵管の構造と機能
(3)子宮壁の構造

  14. 泌尿器 
腎臓
 位置と外形
 皮質と髄質、腎葉と腎小葉
 腎臓の血管系
 ネフロンの構造と機能
集合管系の構造と機能
尿路(腎杯、腎盤、尿管、膀胱、尿道)の構造と機能   

15.生殖器・子孫を残すために 
男性生殖器
(1)精巣の構造と機能
    精細管の構造、精子発生と精子形成、間質の構造と機能
(2)精巣の導管と付属腺
    導管各部位の構造と機能
    付属腺(精嚢、前立腺、 尿道球腺)の構造と機能
(3)外生殖器
    陰茎の構造と機能

16.内分泌組織・ホルモンを作って分泌するために
  下垂体の構造と機能
   血管系とその生理学的意義
   松果体の構造と機能
  甲状腺の構造と機能
  上皮小体の構造と機能
  副腎の構造と機能
   副腎の血管系
  ホルモンを分泌するその他の組織や器官

 17.眼球は見るために特化した器官
   眼球の全体像
   眼球および付属器の微細構造

 18.内耳は聴くために
   外耳と内耳
   鼓膜、耳管、耳小骨
   内耳、骨迷路
   翼突管、耳神経節

発生学各論
 4.呼吸器系の発生
  肺芽の発生
  喉頭
  気管・気管支・肺
   肺の成熟

 5.脈管系の発生
  動脈、静脈の発生
  胎児と新生児の血液循環
  大動脈弓からの構造物
  リンパ系の発生

  6.咽頭弓と顔面の形成
  咽頭器官とは
  咽頭弓、咽頭嚢、咽頭溝、咽頭膜
  顔面の発生
  甲状腺の発生

 7. 尿生殖器系の発生 
  前腎・中腎・後腎の発生
  尿管芽と造後腎組織
  生殖器(男性・女性)の発生

感覚器系の発生 8.
  目の発生
  耳の発生

放射線診断学特別講義
画像診断学総論
 X線検査理論  CT理論  MRI理論  CTやMRIの撮像法
 CTでみる血管の解剖  
 CTで学ぶ中枢神経の解剖  

臨床解剖学:頭頸部がん
1,頭頸部の主な部位、臓器、神経、血管名などを英語で言える。
2,脳神経の名前、主な機能と経路を説明できる。
3,頭蓋底の主な孔(foramen)および管(canal)の名前とそこを通過する神経、血管な
どについて説明できる。
4,頭頸部のリンパ節分布について説明できる。
5,上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭、口腔にできるがんについて説明できる。

整形外科特別講義
 運動器の解剖について
 整形外科では、運動器の疾患を専門にしている。運動器は関節、筋肉、神経を含み、体幹の安定のみならず四肢を利用してあらゆる動作を行う。講義では各関節の特徴や神経支配を通じて、整形外科疾患の診断に利用できる解剖学的知識を解説する。
行動目標:まず正常解剖を把握し、そこから病態を理解する。

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