2018年度シラバス
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科目名
人体構造Ⅱ
シラバスNO
1811900078
担当教員
重吉 康史,長野 護,松尾 拓哉,鯉沼 聡,筋野 貢,中嶋 正人,吉川 朋子,南 陽一,柿木 良介,竹山 宜典,土井 勝美,光冨 徹哉,宮崎 俊一,宮田 信吾,宮本 裕史,肥田 仁一,柏木 伸夫,柳生 行伸,小西 啓悦,金澤 佑治
開講年次
1年次
単位
75時間
開講期
後期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
ヒトの“からだ”の成り立ちを理解するためには人体の構造と機能について学ばなければならない。まず基礎的な構造を理解し、それぞれの体の各部分部分が総合的に人体を作り上げていることを理解する。構造を理解すれば、その機能についての知識が生きたものとなる。実物標本や御献体の解剖を行うことにより、まず医学の第一歩を踏み出し、正しい知識と理解を身につけることを目標としている。特に当教室では臨床医学講座、病理学講座よりの講師による解剖学講義をユニット内で取り入れている。それによって、スムーズにその後の学習に進むことができる。また、組織学講義は生理学の知識と結びつけることを重視し、講義内で、組織学と同時に生理学の基礎について触れる。これらの複合化した講義、実習によって、構造、形態が生理、病態生理と密接に関連していることを理解し、基礎医学から臨床医学にいたる総体としての医学知識を身につける。
学習・教育目標及び到達目標
関連ディプロマポリシー( 3つ以下)
①よい医師を育てたいとの貴重なご遺志を感じながらご遺体の解剖に取り組むこと。
②医師として必要な基本的な解剖学の知識を身につける。
③解剖学の知識を応用して生理学、病理学、臨床医学における問題に取り組むことができる。

関連教育アウトカム( 3つ以下)
①倫理とプロフエツショナリズム
②医学的知識
③協調精神、チームワークの涵養
キーワード(5 つ以下)
倫理、人体構造、組織構築、発生、運動器


系統解剖
1. 解剖学実習を安全にかつ倫理的に行うための知識を身につける
2. 体内時計を調節する方法を学ぶ。
3. 実習を通じてヒトの体のつくりを観察し、構造を説明することができる
4. 構造上の特徴を、機能と関係づけて説明することができる
5. 筋肉と骨構造によって運動を作り出すメカニズムを理解することができる(kinesiology)
成績評価方法および基準
定期試験 70%
レポート 30%
試験・課題に対するフィードバック方法
試験終了後、試験問題を掲示する。
教科書
[ISBN]9784525103118 『解剖実習の手びき』 (寺田 春水, 南山堂 : 2004)
[ISBN]9784890133055 『カラー人体解剖学―構造と機能:ミクロからマクロまで』 (F.H. マティーニ, 西村書店 : 2003)
[ISBN]9784788807075 『医療を学ぶ学生のための解剖の手引き―モチベーションを上げる解剖実習 骨学実習・組織学総論実習・解剖学標本見学実習』 (松尾 拓哉, 時潮社 : 2016)
[ISBN]9784263731345 『ムーア人体発生学原著第8版』 (キース・L.ムア, 医歯薬出版 : 2011)
[ISBN]9784895925730 『リープマン神経解剖学 第3版』 (依藤 宏, メディカルサイエンスインターナショナル : 2008)
[ISBN]9784621088968 『ジュンケイラ組織学 第4版 (Lange Textbookシリーズ)』 (Anthony L. Mescher, 丸善出版 : 2015)
[ISBN]9784263458051 『新編カラーアトラス組織・細胞学』 (岩永 敏彦, 医歯薬出版 : 2017)
[ISBN]9784061534391 『好きになる解剖学 (KS好きになるシリーズ)』 (竹内 修二, 講談社 : 2003)
[ISBN]9784480059635 『からだを読む (ちくま新書)』 (養老 孟司, 筑摩書房 : 2002)
参考文献
[ISBN]9784260020862 『グラント解剖学図譜 第7版』 (坂井 建雄, 医学書院 : 2015)
[ISBN]9784524261178 『人体解剖カラーアトラス』 (ジョナサン・D.スプラット, 南江堂 : 2015)
[ISBN]9784758120258 『臨床につながる解剖学イラストレイテッド』 (松村 讓兒, 羊土社 : 2011)
[ISBN]9784902496406 『CT・MRI解体新書―正常解剖』 (リブロ・サイエンス : 2012)
[ISBN]9784895928397 『ラングマン人体発生学 第11版』 (メディカルサイエンスインターナショナル : 2016)
[ISBN]9784765315067 『カラー図解 神経解剖学講義ノート』 (寺島俊雄, 金芳堂 : 2011)
[ISBN]9784860343064 『グレイ解剖学 原著第3版』 (Richard L. Drake, エルゼビア・ジャパン : 2016)
[ISBN]9784524243679 『Ross組織学』 (Michael H. Ross, 南江堂 : 2010)
[ISBN]9784895922937 『スネル臨床解剖学』 (R.S. スネル, メディカルサイエンスインターナショナル : 2004)
関連科目
生理学 病理学
授業評価アンケート実施方法
実施規程に準拠して行う。
研究室・メールアドレス
anatomy@med.kindai.ac.jp
オフィスアワー
水曜4時から6時とします。しかし質問はいつでも受け付けます。教員がいないときもありますので、アポイントメントをとってから来る方が能率がよろしいです。
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
局所解剖
1.  解剖学の安全倫理と体内時計の合わせ方解剖学実習を安全にかつ倫理的にすすめるために必要な基礎知識
ホルマリン対策・関連の法律・成績の判定・体内時計の合わせ方
2.   kinesiology基礎・筋肉学は力学・力学の観点から、筋、骨、靱帯の運動について学びます
3.   循環 血管の解剖学を学ぶ
4.  kinesiology起立するための筋肉と骨構造・姿勢と脊柱起立筋
5.  CT講義基礎(放射線診断学)CT読影の基礎を学ぶ。
6.  MRI講義基礎(放射線診断学)MRI読影の基礎を学ぶ。
7.胸部CT解剖講義(放射線診断学)胸部 CT読影の基礎を学ぶ。
8.  腹部CT解剖講義(放射線診断学)腹部 CT読影の基礎を学ぶ。

人体解剖講義・実習
1. 頚・胸・腹部体表観察と皮切り・広頚筋と乳腺・胸腹部の皮静脈と皮神経 S1-3
頚・胸・腹部体表観察と皮切りを行い、広頚筋、乳腺、皮静脈、皮神経、胸筋筋膜と腋窩筋膜、浅腹筋膜について学ぶ。

2. 大胸筋と外腹斜筋・頚神経叢の枝と胸鎖乳突筋 S4、5
胸筋筋膜をはぎ、大胸筋、外腹斜筋について学ぶ。また、頚の皮静脈と皮神経、唾液腺、胸鎖乳突筋について学ぶ。

3. 頚部のやや深層・胸部の深層と腋窩 S8、9
胸鎖乳突筋を切り、肩甲舌骨筋と頸神経叢、舌骨下筋群と頸神経ワナ、内頸静脈と総頸動脈、前斜角筋と横隔神経について学ぶ。また、大胸筋を切り、小胸筋について学ぶ。

4. 背なかの皮切り、背なかの浅筋 S6、7
背中とうなじの体表の観察と皮切りを行い、背中の皮神経、胸鎖乳突筋と僧帽筋、副神経と頸横動脈、広背筋と外腹斜筋について学ぶ。

5. 胸腰筋膜と固有背筋・後頭下の筋 S26、27
胸腰筋膜、固有背筋、うなじの靱帯と筋群について学ぶ。

6. 脊髄・鎖骨下動静脈とその枝 S28、10
脊柱後面の靱帯を観察後、脊柱管を開き、脊髄と脊髄神経節をそのままの位置で観察後、脊髄を取り出す。また、鎖骨を切り、鎖骨下動静脈と腋窩動静脈、胸管、鎖骨下動脈の枝について学ぶ。

7. うでの皮切りと腕神経叢・上腕屈側の筋と神経 S11、12
うでの体表の観察、皮切り(手首まで)を行い、皮静脈と皮神経、腕神経叢、三角筋、上腕の3つの屈筋、上腕動静脈と正中神経、腕神経叢の枝について学ぶ。

8. 肩甲骨の前面の筋・上腕伸側と肩甲骨背面の筋・上肢の切り離し S13-15
前鋸筋、肩甲下筋、上腕三頭筋、肩甲骨の後ろの筋について学ぶ。また、上肢の切り離しを行う。

9. 前腕屈側の浅い層・前腕の伸側と手背・手のひらの皮切りと手掌腱膜・手のひらの浅い層 S16-19
前腕の屈筋群と伸筋群について学ぶ。また、手背と手のひらの皮切りを行い、手掌腱膜、母指球の筋、小指球の筋、血管と神経、指の屈筋の腱、虫様筋について学ぶ。

10. 手の深い層・上肢の血管と神経のまとめ、肩関節とその周辺・肘・手首・手と指の関節 S20-25
前腕の屈側、手のひら、手の甲の深い層について学ぶ。また肩関節の周囲の筋と関節について学ぶ。さらに、肘・手首・手と指の関節について学ぶ。

11. 胸壁・胸腔を開く・胸膜と心膜・肺・頚の根もとの深層 S29、S35-38
肋間の筋、壁側胸膜、胸腺、心膜、胸膜腔について学ぶ。また、肺を自然位で観察後、肺の切り出し、肺の構造について学ぶ。さらに、鎖骨下動静脈とくびの大血管、心臓に分布する神経について学ぶ。

12. 縦隔・心臓の外景・心臓の内景・縦隔の深部 S39-42
心臓に出入りする大血管を観察後、心臓を切り出し、心臓の外面、心臓壁の血管について学ぶ。また、反回神経と動脈管索、心臓神経叢、気管と食道、迷走神経、胸大動脈と胸管、胸部の交感神経幹について学ぶ。

13. 鼡径部と側腹筋群・腹直筋鞘・横筋筋膜と腹膜・臍 S30-33
下腹部の体表の観察、皮切りを行い、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、腹直筋鞘の前葉と白線、腹直筋、腹直筋鞘の後葉、横筋筋膜、壁側腹膜、深鼡径輪、臍の裏側、臍の表側について学ぶ。

14. 腹部内臓の自然位での観察・腹部内臓の位置・腹膜と腹膜腔・腹部内臓に分布する血管と神経・空腸と回腸と結腸 S34、43-46
肝臓、胃と大網、腸管、浅在内臓、深在内臓の自然位での観察し、腸間膜、結腸間膜、胃間膜、網嚢、腹膜腔、腸間膜の血管と神経、胃の周囲の血管と神経について学ぶ。また、腸管を切り出し、結腸と小腸の区別、腸管の内面、腸管の壁について学ぶ。
予習内容:各項目に該当する内容について教科書や参考書などにより調べておく。(60分)
復習内容:講義内容について教科書や参考試料も参照して理解に努める。(60分)

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