2018年度シラバス
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科目名
人体構造Ⅳ
シラバスNO
1811900080
担当教員
重吉 康史,長野 護,松尾 拓哉,鯉沼 聡,筋野 貢,中嶋 正人,吉川 朋子,南 陽一,佐藤 隆夫,宮田 信吾,田中 雅樹,小西 啓悦
開講年次
1年次
単位
35時間
開講期
後期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
ヒトの“からだ”の成り立ちを理解するためには人体の構造と機能について学ばなければならない。まず基礎的な構造を理解し、それぞれの体の各部分部分が総合的に人体を作り上げていることを理解する。構造を理解すれば、その機能についての知識が生きたものとなる。実物標本や御献体の解剖を行うことにより、まず医学の第一歩を踏み出し、正しい知識と理解を身につけることを目標としている。特に当教室では臨床医学講座、病理学講座よりの講師による解剖学講義をユニット内で取り入れている。それによって、スムーズにその後の学習に進むことができる。また、組織学講義は生理学の知識と結びつけることを重視し、講義内で、組織学と同時に生理学の基礎について触れる。これらの複合化した講義、実習によって、構造、形態が生理、病態生理と密接に関連していることを理解し、基礎医学から臨床医学にいたる総体としての医学知識を身につける。
学習・教育目標及び到達目標
関連ディプロマポリシー( 3つ以下)
①よい医師を育てたいとの貴重なご遺志を感じながらご遺体の解剖に取り組むこと。
②医師として必要な基本的な解剖学の知識を身につける。
③解剖学の知識を応用して生理学、病理学、臨床医学における問題に取り組むことができる。

関連教育アウトカム( 3つ以下)
①倫理とプロフエツショナリズム
②医学的知識
③協調精神、チームワークの涵養
キーワード(5 つ以下)
倫理、人体構造、組織構築、発生、運動器


発生学
1. 各器官(心臓、呼吸器、消化器、脈管系、尿生殖器、感覚器系(特に眼球と聴覚器)、顔面)の発生過程を絵を描いて説明できる。

組織学
2. 各器官(呼吸器、消化器、心脈管系、泌尿器、生殖器、内分泌器、感覚器(眼球と聴覚器)の組織学的特徴を述べることができる。
3. 上記各器官の機能について形態的特徴と関連づけて述べることができる。組織的構築が機能と大きなつながりがあることを実感してほしい。
4. 組織像をみて、各器官の特徴が理解できる。
成績評価方法および基準
定期試験 70%
レポート 30%
試験・課題に対するフィードバック方法
試験終了後、試験問題を掲示する。
教科書
[ISBN]9784525103118 『解剖実習の手びき』 (寺田 春水, 南山堂 : 2004)
[ISBN]9784890133055 『カラー人体解剖学―構造と機能:ミクロからマクロまで』 (F.H. マティーニ, 西村書店 : 2003)
[ISBN]9784788807075 『医療を学ぶ学生のための解剖の手引き―モチベーションを上げる解剖実習 骨学実習・組織学総論実習・解剖学標本見学実習』 (松尾 拓哉, 時潮社 : 2016)
[ISBN]9784263731345 『ムーア人体発生学原著第8版』 (キース・L.ムア, 医歯薬出版 : 2011)
[ISBN]9784895925730 『リープマン神経解剖学 第3版』 (依藤 宏, メディカルサイエンスインターナショナル : 2008)
[ISBN]9784621088968 『ジュンケイラ組織学 第4版 (Lange Textbookシリーズ)』 (Anthony L. Mescher, 丸善出版 : 2015)
[ISBN]9784263458051 『新編カラーアトラス組織・細胞学』 (岩永 敏彦, 医歯薬出版 : 2017)
[ISBN]9784061534391 『好きになる解剖学 (KS好きになるシリーズ)』 (竹内 修二, 講談社 : 2003)
[ISBN]9784480059635 『からだを読む (ちくま新書)』 (養老 孟司, 筑摩書房 : 2002)
参考文献
[ISBN]9784260020862 『グラント解剖学図譜 第7版』 (坂井 建雄, 医学書院 : 2015)
[ISBN]9784524261178 『人体解剖カラーアトラス』 (ジョナサン・D.スプラット, 南江堂 : 2015)
[ISBN]9784758120258 『臨床につながる解剖学イラストレイテッド』 (松村 讓兒, 羊土社 : 2011)
[ISBN]9784902496406 『CT・MRI解体新書―正常解剖』 (リブロ・サイエンス : 2012)
[ISBN]9784895928397 『ラングマン人体発生学 第11版』 (メディカルサイエンスインターナショナル : 2016)
[ISBN]9784765315067 『カラー図解 神経解剖学講義ノート』 (寺島俊雄, 金芳堂 : 2011)
[ISBN]9784860343064 『グレイ解剖学 原著第3版』 (Richard L. Drake, エルゼビア・ジャパン : 2016)
[ISBN]9784524243679 『Ross組織学』 (Michael H. Ross, 南江堂 : 2010)
[ISBN]9784895922937 『スネル臨床解剖学』 (R.S. スネル, メディカルサイエンスインターナショナル : 2004)
関連科目
生理学 病理学
授業評価アンケート実施方法
実施規程に準拠して行う。
研究室・メールアドレス
anatomy@med.kindai.ac.jp
オフィスアワー
水曜4時から6時とします。しかし質問はいつでも受け付けます。教員がいないときもありますので、アポイントメントをとってから来る方が能率がよろしいです。
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
組織学(講義・実習)
14. 泌尿器   
腎臓
 腎臓の発生
 腎臓の基本構造
 位置と外形
 皮質と髄質
 腎葉と腎小葉
 腎臓の血管系
 ネフロンの構造と機能
集合管系の構造と機能
   尿路(腎杯、腎盤、尿管、膀胱、尿道)の構造と機能

2.リンパ組織

3.内分泌組織・ホルモンを作って分泌するために
     下垂体の構造と機能
   腺性下垂体
   神経性下垂体
   血管系とその生理学的意義
   松果体の構造と機能
         甲状腺の構造と機能
         上皮小体の構造と機能
         副腎の構造と機能
   皮質の層構造と機能
   髄質の構造と機能
   副腎の血管系
         ホルモンを分泌するその他の組織や器官

4.神経組織の特徴は情報伝達への特化
神経組織の構成要素
神経細胞の基本的構造と機能
神経支持細胞(神経膠細胞とシュワン細胞)の構造と機能
有髄神経線維と無髄神経線維
中枢神経組織(大脳、小脳、脊髄)の組織構築
末梢神経組織の組織構築  


5.呼吸器組織 
呼吸器特に気管支から肺胞への組織の変化:実習 呼吸に特化した器官である呼吸器、 上皮の様態がどんどん変わっていきます。
気道を構成する各部位の構造

鼻翼(外皮・鼻前庭)
咽頭(鼻部・口部・喉頭部)
喉頭(喉頭蓋・喉頭前庭・室ヒダ・前庭裂・喉頭室・声帯・声門裂・声門下腔)
気管および気管支の構造
肺(葉気管支・区域気管支・気管支枝・細気管支・終末細気管支・呼吸細気管支・肺胞管・肺胞嚢・肺胞)
肺胞壁の構造とガス交換
胎児の肺

6. 消化管

7.肝胆膵

8.循環器

9.生殖器、男性

10,感覚器

11,生殖器、女性



11.心臓・血管組織 
(1)心臓
心臓の概観
心膜
心臓壁の構造(心内膜、心筋層、心外膜)
心筋の特徴
心臓の弁
刺激伝導系
(2)血管
血管の分類
動脈
静脈
毛細血管
血管の基本的層構造(内膜、中膜、外膜)
動脈の構造
弾性型動脈
筋型(分配型)動脈
細動脈
静脈の構造
毛細血管の構造
連続型毛細血管
有窓型毛細血管
洞様毛細血管(類洞)
毛細血管網の構築と血流の調節
(3)リンパ管
    リンパ管の構造



13.生殖器・子孫を残すために
女性生殖器
(1)卵巣の構造と機能
    卵巣の構造
    卵胞の発育
    卵胞膜の構造と機能
    排卵、黄体の形成
    卵胞の閉鎖
(2)卵管の構造と機能
(3)子宮壁の構造
    子宮内膜の周期的変化
    子宮周期と卵巣周期



15. 生殖器・子孫を残すために
男性生殖器
(1)精巣の構造と機能
    精細管の構造
    精子発生と精子形成
    間質の構造と機能
(2)精巣の導管と付属腺
    導管各部位の構造と機能
    付属腺(精嚢、前立腺、 尿道球腺)の構造と機能
(3)外生殖器
    陰茎の構造と機能



17. 感覚器
   #眼球は見るために特化した器官
   眼球の全体像
   眼球および付属器の微細構造
   #内耳は聴くために
   外耳と内耳
   鼓膜、耳管、耳小骨
   内耳、骨迷路
   翼突管
   耳神経節

発生学各論
1.筋骨格系

2.心臓の発生

3.消化器発生

4.脈管系の発生 
  動脈、静脈の発生
  胎児と新生児の血液循環
  大動脈弓からの構造物
  リンパ系の発生


5.吸器系の発生 
  肺芽の発生
  喉頭
  気管・気管支・肺
  肺の成熟 


6.咽頭弓と顔面の形成                 
  咽頭器官とは
  咽頭弓、咽頭嚢、咽頭溝、咽頭膜
  顔面の発生
  甲状腺の発生

7. 尿生殖器系の発生 
  前腎・中腎・後腎の発生
  尿管芽と造後腎組織
  生殖器(男性・女性)の発生

8. 感覚器系の発生
  目の発生
  耳の発生
予習内容:各項目に該当する内容について教科書や参考書などにより調べておく。(60分)
復習内容:講義内容について教科書や参考試料も参照して理解に努める。(60分)

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