2019年度シラバス
学部・学科の教育方針/カリキュラムツリー等へのリンク
科目名
機能Ⅱ
シラバスNO
1911900016
担当教員
稲瀨 正彦,重吉 康史,岡田 斉,村田 哲,長野 護,岩永 賢司,渡邉 智裕,千葉 惇,松尾 拓哉,生塩 研一,寒川 真,藤浪 菜穂子,髙良 沙幸,高田 昌彦,南部 篤,渋谷 まさと,中陦 克己
開講年次
2年次
単位
100時間
開講期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
本科目では、臨床医学を学ぶにあたり基礎となる正常な人体の機能と構造について、呼吸器系と消化器系、そして神経系に関して学修する。これらの器官系について、「機能」を中心に「構造」と「物質の動き」を加えた三つの観点を関連させながら、さらに臨床医学の視点を加えて、統合的に学修する。医学部全体の教育目標の中でも、特に、「医師として必要な基礎的知識の修得」、「自ら問題を解決する積極的な態度の養成」、「広い学問的視野の育成」を目標とする。
授業では、生理学や解剖学、生化学の専門教官による講義を中心に、学生小グループによるテュートリアル、脳解剖実習や神経生理実習などを実施して、上記の目標を達成できるように学修する。各回の講義は、「機能」を中心に、「構造」と「物質の動き」を加えた三つの観点を関連させながら進める。単に、生理学的な知識を学ぶだけでなく、解剖学や生化学の知識を統合して、それぞれの器官やシステムの働きを総合的に理解することを目指す。加えて、呼吸器内科や消化器内科、脳神経内科の教員による講義も行い、基礎医学での学修が臨床医学へ結びつくことも学ぶ。テュートリアルでは、事例を基にして、関連する生理学や解剖学、生化学などの事項を自ら調査し、事例の病態生理を自ら考え、さらに、小グループによる討論を通じて基礎医学の知識や疾患の病態生理の理解を深める。実習では、脳の観察や実験操作、実験結果について議論等を通して、講義等で学修した知識の理解を深める。
全ての授業の終了後、学生の授業内容についての理解度を総括的に評価するため、呼吸器系・消化器系と神経系に分けて、筆記試験を実施する。
アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・グループワーク・プレゼンテーション
ICTを活用したアクティブ・ラーニング
自主学習支援(e-learning等を活用)
使用言語
日本語
学習・教育目標及び到達目標
関連ディプロマポリシー
1.医学の知識と技能: 医師になるために必要な医学の知識と技能を修得し、さらに日々向上に努めること。
2.自律的学習能力: 積極的に課題に取り組み、さらに自ら問題点を見いだし解決する姿勢を身につけること。
3.   協調的精神

関連教育アウトカム
1.医学的知識
2.自律的継続的学習能力
3.課題解決能力と医学研究への連結

キーワード
神経、呼吸器、消化器、機能、構造

学習目標
1. 呼吸器系の正常機能と構造を理解する。
2. 消化器系の正常機能と構造を理解する。
3. 神経細胞やシナプスの働きを理解する。
4. 中枢神経系の正常構造と機能を理解する。
5. 生理学や解剖学などの教科書を読んで、自学自習する習慣を身につける。

到達目標
(呼吸器・消化器系)
1. 自学自習の成果を基に議論ができる。
2. 呼吸器系の構成と機能の概要を説明できる。
3. 呼吸器系の肉眼的および組織学的な構造について説明できる。
4. 肺胞における酸素や二酸化炭素の交換の仕組みについて説明できる。
5. 呼吸運動による換気のしくみとその神経性・化学的調節について説明できる。 
6. 血液による酸素や二酸化炭素の運搬について説明できる。
7. 呼吸生理学と呼吸器臨床の関連について、例をあげて説明できる。
8. 消化器系の肉眼的および組織学的な構造について説明できる。
9. 胃液や膵液などの消化液の分泌機構とその調節について説明できる。
10.  嚥下や蠕動運動など、消化管運動の制御機構について説明できる。
11. 炭水化物やタンパク質、脂質などの消化過程について説明できる。
12. 炭水化物やタンパク質、脂質などの、消化管での吸収機構について説明できる。
13. 代謝センターとして働く肝臓の機能について説明できる。
14. 消化生理学と消化器臨床との関連について、例をあげて説明できる。

(神経系)
15. 学生や教員との議論を通して、脳・神経機能の理解を深めることができる。
16. イオンチャネルの特性と静止膜電位の発生機構について説明できる。
17. 神経細胞の活動電位の発生機構や興奮の伝導機構について説明できる。
18. シナプスの基本構成と、神経筋接合部におけるシナプス伝達について説明できる。
19. 興奮収縮連関や滑り説など、骨格筋の収縮機構について説明できる。
20. 脳や脊髄に存在する中枢性シナプスの特性について説明できる。
21. 大脳、小脳、脳幹など、脳の基本構造について説明できる。
22. 伸張反射や屈曲反射などの脊髄反射のしくみについて説明できる。
23. 脊髄の構造と、脊髄の上行性・下行性伝導路について説明できる。
24. 神経局在診断の基礎と応用について、例をあげて説明できる。。
25. 交感神経と副交感神経からなる自律神経の構成と特徴について説明できる。
26. 体性感覚の受容機構と伝導路について説明できる。
27. 聴覚と、半規管や耳石器による前庭感覚の受容機構について説明できる。
28. 神経系の発生機構やその先天異常について説明できる。
29. 視覚の受容機構と伝導路、大脳視覚野の働きについて説明できる。
30. 大脳運動野の特徴や眼球運動の神経機構について説明できる。
31. 脳幹の神経核と伝導路について説明できる。
32. 大脳皮質の構造上の特徴や視床の構成について説明できる。
33. 大脳辺縁系の構成と、記憶や情動などの役割について説明できる。
34. 小脳と大脳基底核の機能的構成や役割について説明できる。
35. 脳に分布する動静脈と、脳脊髄液の流れについて説明できる。
36. 味覚と嗅覚の受容機構について説明できる。
37. 前頭・頭頂・側頭連合野などの破壊症状と役割について説明できる。
38. 視床下部の構成や機能と、体内時計の仕組みについて説明できる。
39. 言語の神経機構と脳の左右差について説明できる。
40. 神経生理学と神経系の臨床について、例をあげて説明できる。
41. 大脳から脊髄まで各領域の水平断面図を書き、代表的構造物を示すことができる。
42. 脳波の特徴と発生機構について説明できる。
成績評価方法および基準
定期試験 80%
テュートリアル:討論での発言と自己学習を評価する。 10%
実習:レポートと取り組みの積極性を評価する。 10%
試験・課題に対するフィードバック方法
試験終了後(試験期間終了後)に「試験の要点と解説」をUNIVERSAL PASSPORTに掲載します。
教科書
[ISBN]9784895925730 「リープマン神経解剖学 第3版」 (依藤 宏 訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル)
参考文献
[ISBN]9784784931804 「カラー図解 人体の正常構造と機能 第3版」 (坂井 建雄 /河原 克雅 編、日本医事新報社)
[ISBN]9784260017817 「標準生理学 第8版」 (小澤 瀞司 他監、医学書院)
関連科目
生命科学 解剖学 生化学
神経内科学 脳神経外科学 呼吸器病学 消化器病学
授業評価アンケート実施方法
実施規定に基づいて実施する。
研究室・メールアドレス
seirigaku@edu.med.kindai.ac.jp
オフィスアワー
生理学教室において、Unit3期間中は平日12時から13時、その他の期間は金曜日12時から13時
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
呼吸器系・消化器系
テュートリアル1 呼吸器系の事例を題材にして、小グループでの討論を軸に、呼吸器機能の理解を深める。
呼吸器系・総論 呼吸器系の構成と機能の概要を講義する。
呼吸器系の機能 呼吸器系の機能について、Q&A形式で、段階的な双方向性授業を実施する。
呼吸器系の構造 呼吸器系の肉眼的および組織学的な構造について講義する。
ガス交換 肺胞における酸素や二酸化炭素の交換の仕組みについて講義する。
呼吸運動とその調節 呼吸運動による換気とその神経性・化学的調節について講義する。
血液ガスの運搬 血液による酸素や二酸化炭素の運搬について講義する。
呼吸器臨床につながる生理学 呼吸器臨床と、その基礎生理学との関連について講義する。
消化器の構造 消化器系の肉眼的および組織学的な構造について講義する。
消化液の分泌 胃液や膵液など、消化液の分泌機構とその調節について講義する。
消化管の運動 嚥下、蠕動運動など、消化管運動の制御機構について講義する。
食物の消化 炭水化物やタンパク質、脂質などの消化過程について講義する。
消化管での吸収 炭水化物やタンパク質、脂質などの、消化管での吸収機構について講義する。
肝臓の機能 代謝センターとして働く、肝臓の機能について講義する。
消化器臨床につながる生理学 消化器臨床と、その基礎生理学との関連について講義する。

神経系
テュートリアル2 神経系の事例を題材にして、小グループでの討論を軸に、神経細胞の働きの理解を深める。
テュートリアル3 脳損傷の事例を題材にして、小グループでの討論を軸に、脳の機能解剖の理解を深める。
膜電位 イオンチャネルの特性と静止膜電位の発生機構について講義する。
活動電位 神経細胞の活動電位の発生機構や興奮の伝導機構について講義する。
シナプス伝達 シナプスの基本構成と、神経筋接合部におけるシナプス伝達について講義する。
筋収縮 興奮収縮連関や滑り説など、骨格筋の収縮機構について講義する。
中枢シナプス 脳や脊髄に存在する中枢性シナプスの特性について講義する。
脳の基本構造 大脳、小脳、脳幹など、脳の構造の概略について講義する。
脊髄反射 伸張反射や屈曲反射など、脊髄反射のしくみについて講義する。
脊髄伝導路 脊髄の構造と、脊髄の上行性・下行性伝導路について講義する。
臨床神経解剖 神経局在診断の基礎と応用について、事例を通して、講義する。
自律神経 交感神経と副交感神経からなる自律神経の構成と特徴について講義する。
体性感覚 体性感覚の受容機構と伝導路について講義する。
聴覚と前庭感覚 聴覚と、半規管や耳石器による前庭感覚の受容機構について講義する。
神経発生と先天異常 神経系の発生機構やその先天異常について講義する。
視覚 視覚の受容機構と伝導路、大脳視覚野の働きについて講義する。
運動制御 大脳運動野の特徴や眼球運動の神経機構について講義する。
脳幹 脳幹の神経核と伝導路について講義する。
大脳皮質と視床 大脳皮質の構造上の特徴や視床の構成について講義する。
大脳辺縁系 大脳辺縁系の構成と、記憶や情動など、その役割について講義する。
小脳と大脳基底核 小脳と大脳基底核の、機能的構成や役割について講義する。
脳循環 脳に分布する動静脈と、脳脊髄液の流れについて講義する。
味覚と嗅覚 味覚と嗅覚の受容機構について講義する。
大脳連合野 前頭・頭頂・側頭連合野などの破壊症状と役割について講義する。
視床下部と体内時計 視床下部の構成や機能と、体内時計の仕組みについて講義する。
言語と脳の左右差 言語の神経機構と脳の左右差について講義する。
神経系臨床につながる生理学 神経系の臨床と、その神経生理学との関連について講義する。
脳解剖実習 脳の肉眼解剖実習を通して、脳構造の理解を深める。
神経生理実習 脳波測定、誘発筋電図、筋疲労などの神経生理実習により、神経・筋機能の理解を深める。
予習内容:(テュートリアル1回あたりの自己学習について)
討論により設定された疑問点について、教科書や他の情報源を活用して、解決する。(60分)
復習内容:配付資料に従って講義内容を整理し、関連する教科書を読み、不明な部分は調べる。
定期試験にあたって、到達目標の達成状況を参照しつつ全体を復習すること。(900分)

定期試験
全ての授業の終了後、学生の授業内容についての理解度を総括的に評価するため、呼吸器系・消化器系と神経系に分けて、筆記試験を実施する。試験では、記述式問題を90%以上とする。
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実践的な教育内容
経営者、技術者、研究者、行政官等の実務経験がある教員が行う授業