2019年度シラバス
学部・学科の教育方針/カリキュラムツリー等へのリンク
科目名
人体構造Ⅰ
シラバスNO
1911900072
担当教員
重吉 康史,長野 護,松尾 拓哉,鯉沼 聡,筋野 貢,中嶋 正人,吉川 朋子,南 陽一,赤木 將男,柿木 良介,西村 恭昌,宮本 裕史
開講年次
1年次
単位
50時間
開講期
後期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
ヒトの“からだ”の成り立ちを理解するためには人体の構造と機能について学ばなければならない。まず基礎的な構造を理解し、それぞれの体の各部分部分が総合的に人体を作り上げていることを理解する。構造を理解すれば、その機能についての知識が生きたものとなる。実物標本や御献体の解剖を行うことにより、まず医学の第一歩を踏み出し、正しい知識と理解を身につけることを目標としている。特に当教室では臨床医学講座、病理学講座よりの講師による解剖学講義をユニット内で取り入れている。それによって、スムーズにその後の学習に進むことができる。また、組織学講義は生理学の知識と結びつけることを重視し、講義内で、組織学と同時に生理学の基礎について触れる。これらの複合化した講義、実習によって、構造、形態が生理、病態生理と密接に関連していることを理解し、基礎医学から臨床医学にいたる総体としての医学知識を身につける。
アクティブ・ラーニングの形態
実験・実習科目
ICTを活用したアクティブ・ラーニング
-
使用言語
日本語
学習・教育目標及び到達目標
関連ディプロマポリシー( 3つ以下)
①よい医師を育てたいとの貴重なご遺志を感じながらご遺体の解剖に取り組むこと。
②医師として必要な基本的な解剖学の知識を身につける。
③解剖学の知識を応用して生理学、病理学、臨床医学における問題に取り組むことができる。

関連教育アウトカム( 3つ以下)
①倫理とプロフエツショナリズム
②医学的知識
③協調精神、チームワークの涵養
キーワード(5 つ以下)
倫理、人体構造、組織構築、発生、運動器

【学習目標】
骨学
1.上肢の骨格の特徴について理解する。
2.下肢の骨格の特徴について理解する。
3.体幹の骨格の特徴について理解する。
4.頭部の骨格の特徴について理解する。
発生学(総論)
5.配偶子形成について理解する。
6.受精から着床までの発生について理解する。
7.第2週から第3週前半までの発生について理解する。
8.3週後半から第8週までの発生について理解する。
組織学(総論)
9.上皮組織の形態学的特徴と機能について理解する。
10.筋組織の形態学的特徴と機能について理解する。
11.結合組織の形態学的特徴と機能について理解する。
12.骨・軟骨組織の形態学的特徴と機能について理解する。
13.血液及ぶその有形成分の形態学的特徴と機能について理解する。
14.腺組織の形態学的特徴と機能について理解する。

【到達目標】
1-1.上肢帯、自由上肢を構成する骨の名称・部位・特徴を説明することができる。
1-2.肩関節・肘関節・手根関節および手に存在する関節について、構成する骨の名称・部位およびそれぞれの関節の運動方向と関係する筋を説明することができる。
2-1.下肢帯、骨盤を構成する骨の名称・特徴を説明することができる。
2-2. 骨盤の性差および骨盤の諸径について部位とその名称を説明することができる。
2-3.股関節・膝関節・足根関節および足に存在する関節について、構成する骨の名称・部位およびそれぞれの関節の運動と関係する筋について説明することができる。
3-1.体幹、胸郭、脊柱を構成する骨の名称・部位・特徴を説明することができる。
3-2脊柱を起立させる筋群について主な筋の名称を挙げて説明することができる。
3-3呼吸に関係する骨格と筋群について、名称を挙げてそれらの機能を説明することができる。
4-1.頭蓋を構成する骨の名称を挙げ、それらの部位・特徴について説明することができる。
4-2.内、外頭蓋底の孔・管・裂・道、窩および高まりに存在するものを説明することができる。
4-3.鼻腔、眼窩を構成する骨について、それらの部位・特徴について説明することができる。
4-4.副鼻腔が存在する骨について、副鼻腔の名称を挙げ、説明することができる。
5-1.減数分裂について、概略を説明することができる。
5-2精子、卵子の発生、成熟について説明することができる。
5-3女性の生殖周期について説明することができる。
5-4生殖子の輸送、生存能力について説明することができる。
6-1受精から着床にいたる経過について胚の略図を描き、卵管・子宮内の位置を関連させて説明することができる。
6-2胎盤の構造と機能を説明することができる。
7-1.胚盤胞から二層性胚盤が形成される過程にを説明できる。 
7-2.二層性胚盤から三層性胚盤が形成される過程を説明できる。
7-3.栄養膜の分化について説明できる。
8-1.脊索および神経堤細胞の発生過程と遊走、分化して生じる構造物について説明できる。
8-2.三層性胚盤における中胚葉、外胚葉の分化について説明できる。
8-3.体節の分化について説明できる。
9-1.上皮の種類および形態学的構造と機能を説明できる。
9-2.上皮の頂上面の特殊化および細胞間接着、細胞間結合を説明できる。
10-1.骨格筋・心筋・平滑筋の違いに着目しながら、それぞれの組織学的特徴を説明できる。
10-2.骨格筋・心筋・平滑筋それぞれの収縮のしくみを説明できる。
10-3.筋節の構造を絵にかいて説明できる。
11-1. 疎性結合組織、密性不規則性結合組織、密性規則性結合組織、脂肪組織のそれぞれの特徴を説明できる。
11-2.ラミニン、フィブロネクチン、インテグリンについて説明できる。
12-1.骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞の形態学的特徴と機能を説明できる。
12-2.付加成長と間質成長および膜内骨化と軟骨内骨化について説明できる。
12-3.軟骨の種類および形態学的特徴と機能を説明できる。
13-1.血漿と血清の違いを説明できる。
13-2.血球の形態的特と機能を説明できる。
13-3.骨髄球形、赤芽球系の分化・成熟過程の概略を説明できる。
14-1.腺の分泌様式を説明できる。
14-2.漿液性、粘液性、混合性腺房および導管の形態学的特徴と機能を説明できる。
成績評価方法および基準
定期試験 70%
レポート 30%
試験・課題に対するフィードバック方法
試験終了後、試験問題を掲示する。
教科書
[ISBN]9784890133055 『カラー人体解剖学―構造と機能:ミクロからマクロまで』 (F.H. マティーニ, 西村書店 : 2003)
[ISBN]9784895928397 『ラングマン人体発生学 第11版』 (メディカルサイエンスインターナショナル : 2016)
[ISBN]9784621303399 『ジュンケイラ組織学 第5版(原書14版) (Lange Textbook シリーズ)』 (Anthony L. Mescher, 丸善出版 : 2018)
[ISBN]9784263458051 『新編カラーアトラス組織・細胞学』 (岩永 敏彦, 医歯薬出版 : 2017)
[ISBN]9784788807266 『医学・医療を学ぶ学生のための骨学実習書』 (松尾 拓哉, 時潮社 : 2019)
参考文献
[ISBN]9784260020862 『グラント解剖学図譜 第7版』 (坂井 建雄, 医学書院 : 2015)
[ISBN]9784524261178 『人体解剖カラーアトラス』 (ジョナサン・D.スプラット, 南江堂 : 2015)
[ISBN]9784758120258 『臨床につながる解剖学イラストレイテッド』 (松村 讓兒, 羊土社 : 2011)
[ISBN]9784902496406 『CT・MRI解体新書―正常解剖』 (リブロ・サイエンス : 2012)
[ISBN]9784765315067 『カラー図解 神経解剖学講義ノート』 (寺島俊雄, 金芳堂 : 2011)
[ISBN]9784860343064 『グレイ解剖学 原著第3版』 (Richard L. Drake, エルゼビア・ジャパン : 2016)
[ISBN]9784524243679 『Ross組織学』 (Michael H. Ross, 南江堂 : 2010)
[ISBN]9784895922937 『スネル臨床解剖学』 (R.S. スネル, メディカルサイエンスインターナショナル : 2004)
関連科目
生理学 病理学
授業評価アンケート実施方法
実施規程に準拠して行う。
研究室・メールアドレス
anatomy@med.kindai.ac.jp
オフィスアワー
水曜4時から6時とします。しかし質問はいつでも受け付けます。教員が不在のときもあり、アポイントメントを取得して来室することが望ましい。
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
骨学講義・実習
1. 上肢
2. 下肢
3. 脊柱
4. 頭蓋骨


組織学総論(講義・実習)
1.上皮組織
上皮組織の種類および形態学的構造と機能
2.筋組織
筋組織の種類および形態学的構造と機能
3.結合組織
結合組織の種類および形態学的構造と機能
4.骨・軟骨組織
骨・軟骨組織の種類および形態学的構造と機能
5.血液
血液成分の種類および形態学的構造と機能
6.腺組織
腺組織の種類および形態学的構造と機能

発生学総論
1. 生殖子形成
精子の発生
卵子の発生
減数分裂と体細胞分裂

2. 発生第1週排卵から着床まで
排卵
受精
分割
胚盤胞の形成
着床

3. 発生第2週から第3週前半
器官形成期
胚子の折り畳み
胚葉由来の構造物
胚子発生の調節
ヒト発生の危険期

4.発生第3週後半から第8週まで
器官形成期
胚子の折り畳み
胚葉由来の構造物
胚子発生の調節


発 生 学 実 習
ニワトリ胎芽の初期発生
マウス胚の組織切片観察
予習内容:各項目に該当する内容について教科書や参考書などにより調べておく。(60分)
復習内容:講義内容について教科書や参考試料も参照して理解に努める。(60分)

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実践的な教育内容
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