2019年度シラバス
学部・学科の教育方針/カリキュラムツリー等へのリンク
科目名
人体構造Ⅱ
シラバスNO
1911900073
担当教員
重吉 康史,長野 護,松尾 拓哉,鯉沼 聡,筋野 貢,中嶋 正人,吉川 朋子,南 陽一,柿木 良介,竹山 宜典,土井 勝美,光冨 徹哉,宮崎 俊一,宮田 信吾,宮本 裕史,肥田 仁一,柏木 伸夫,柳生 行伸,小西 啓悦,金澤 佑治
開講年次
1年次
単位
75時間
開講期
後期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
ヒトの“からだ”の成り立ちを理解するためには人体の構造と機能について学ばなければならない。まず基礎的な構造を理解し、それぞれの体の各部分部分が総合的に人体を作り上げていることを理解する。構造を理解すれば、その機能についての知識が生きたものとなる。実物標本や御献体の解剖を行うことにより、まず医学の第一歩を踏み出し、正しい知識と理解を身につけることを目標としている。特に当教室では臨床医学講座、病理学講座よりの講師による解剖学講義をユニット内で取り入れている。それによって、スムーズにその後の学習に進むことができる。また、組織学講義は生理学の知識と結びつけることを重視し、講義内で、組織学と同時に生理学の基礎について触れる。これらの複合化した講義、実習によって、構造、形態が生理、病態生理と密接に関連していることを理解し、基礎医学から臨床医学にいたる総体としての医学知識を身につける。
アクティブ・ラーニングの形態
実験・実習科目
ICTを活用したアクティブ・ラーニング
-
使用言語
日本語
学習・教育目標及び到達目標
関連ディプロマポリシー( 3つ以下)
①よい医師を育てたいとの貴重なご遺志を感じながらご遺体の解剖に取り組むこと。
②医師として必要な基本的な解剖学の知識を身につける。
③解剖学の知識を応用して生理学、病理学、臨床医学における問題に取り組むことができる。

関連教育アウトカム( 3つ以下)
①倫理とプロフエツショナリズム
②医学的知識
③協調精神、チームワークの涵養
キーワード(5 つ以下)
倫理、人体構造、組織構築、発生、運動器


【学習目標】
1.頚・胸・腹部体表・広頚筋と乳腺・胸腹部の皮静脈と皮神経について理解する。
2.大胸筋と外腹斜筋・頚神経叢の枝と胸鎖乳突筋について理解する。
3.頚部のやや深層・胸部の深層と腋窩について理解する。
4.背部体表、背なかの浅筋について理解する。
5.胸腰筋膜と固有背筋・後頭下の筋について理解する。
6.脊髄・鎖骨下動静脈とその枝について理解する。
7.うでの体表と腕神経叢・上腕屈側の筋と神経について理解する。
8.肩甲骨の前面の筋・上腕伸側と肩甲骨背面の筋・上肢の切り離しについて理解する。
9.前腕屈側の浅い層・前腕の伸側と手背・手のひらの体表と手掌腱膜・手のひらの浅い層について理解する。
10.手の深い層・上肢の血管と神経、肩関節とその周辺・肘・手首・手と指の関節について理解する。
11.胸壁・胸腔・胸膜と心膜・肺・くびの根もとの深層について理解する。
12.縦隔・心臓の外景・心臓の内景・縦隔の深部について理解する。
13.鼡径部と側腹筋群・腹直筋鞘・腹横筋筋膜と腹膜・臍について理解する。
14.腹部内臓の自然位・腹部内臓の位置・腹膜と腹膜腔・腹部内臓に分布する血管と神経・空腸と回腸と結腸について理解する。
15.Kinesiology:軸、回転、重心、といった概念を用いて筋肉の作用について理解する。
16.主な血液循環について理解する。

【到達目標】
以下の項目の筋肉の起始、停止、機能、支配神経・神経叢の構成と分布領域・血管、神経の走行および語句などについて絵を描いて説明できる。
1.広頚筋・腹部の皮膚の神経と動脈・筋膜
2.大胸筋、前鋸筋、胸鎖乳突筋・頚神経叢
3.頸神経ワナ・鎖骨下と腋窩に存在する動脈・静脈・神経および筋
4.僧帽筋・聴診三角と腰三角
5.後頭下筋群・脊柱固有筋・胸腰筋膜を起始とする筋・後頭下三角を構成する筋・椎骨動脈
6.脊髄の形状と髄膜の構成・脊髄神経と脊髄神経節・鎖骨と鎖骨下動脈、鎖骨下静脈・腕神経叢
7.上肢帯の筋・上腕の筋・上肢の皮静脈・肩甲下筋
8.上肢と体幹をつなぐ筋・前鋸筋・内、外側腋窩隙・前鋸筋麻痺の原因と症状・何を切り離せば、上肢を切り離すことができるか
9.手根管の構成および手根管症候群・正中神経、橈骨神経、尺骨神経の絞扼神経障害・手掌、手背の皮膚の知覚神経分布図・タバチエール・母指の運動に関係する筋・前腕、手の動脈
10.肩関節を構成する骨・上肢の動脈
11.内胸動脈・内胸動脈が、どの様な手術のグラフトに用いられるか・横隔神経と反回神経・肺癌による横隔神経麻痺と反回神経麻痺
12.胸部レントゲンで右の第一第二弓、左の第一から第四弓まで何を示しているか・心臓の弁と心房心室の関係・心膜と心膜腔の関係・心臓の冠動脈の走行・弁の位置、冠動脈の起始の関係・刺激伝導系・胸大動脈と胸管、交感神経幹・反回神経と動脈管索の位置関係・右左の気管支の違い
13.腹直筋鞘の構成・弓状線・上・下腹壁動静脈の側副路としての経路・鼡径管の構成・正中・内側・外側臍ヒダ・膀胱上窩、内側鼡径窩、外側鼡径窩と鼡径ヘルニアとの関係
14.腹部内臓の位置をそのままの状態で確認し、臓器の位置と名称・胃間膜・大網・腸間膜・肝円索・網嚢について、発生学的な観点から形成過程・網嚢孔(ウインスロー孔)の形成と臨床的な意義・十二指腸空腸曲付近の臓器と腹膜のヒダ・回盲部付近の臓器と腹膜のヒダ・.腹部内臓に分布する動脈と静脈・門脈系を形成する静脈の枝の臓器への分布・胃と肝臓への迷走神経の分布・結腸の形態的な特徴を挙げ、小腸との違い・空腸と回腸について、それぞれの形態的な特徴・腸管の壁構造について、組織学的な特徴
15-1. 軸、回転、重心、といった概念を用いて筋肉の作用を説明できる。
16-1.冠状動脈・内頸動脈と外頸動脈・腹大動脈の枝・奇静脈系・門脈・直腸静脈叢について絵を描いて説明できる。
系統解剖実習において実習書に記載のある構造物を指摘できる。
成績評価方法および基準
定期試験 70%
レポート 30%
試験・課題に対するフィードバック方法
試験終了後、試験問題を掲示する。
教科書
[ISBN]9784525103118 『解剖実習の手びき』 (寺田 春水, 南山堂 : 2004)
[ISBN]9784890133055 『カラー人体解剖学―構造と機能:ミクロからマクロまで』 (F.H. マティーニ, 西村書店 : 2003)
参考文献
[ISBN]9784260020862 『グラント解剖学図譜 第7版』 (坂井 建雄, 医学書院 : 2015)
[ISBN]9784524261178 『人体解剖カラーアトラス』 (ジョナサン・D.スプラット, 南江堂 : 2015)
[ISBN]9784758120258 『臨床につながる解剖学イラストレイテッド』 (松村 讓兒, 羊土社 : 2011)
[ISBN]9784902496406 『CT・MRI解体新書―正常解剖』 (リブロ・サイエンス : 2012)
[ISBN]9784765315067 『カラー図解 神経解剖学講義ノート』 (寺島俊雄, 金芳堂 : 2011)
[ISBN]9784860343064 『グレイ解剖学 原著第3版』 (Richard L. Drake, エルゼビア・ジャパン : 2016)
[ISBN]9784524243679 『Ross組織学』 (Michael H. Ross, 南江堂 : 2010)
[ISBN]9784895922937 『スネル臨床解剖学』 (R.S. スネル, メディカルサイエンスインターナショナル : 2004)
関連科目
生理学 病理学
授業評価アンケート実施方法
実施規程に準拠して行う。
研究室・メールアドレス
anatomy@med.kindai.ac.jp
オフィスアワー
水曜4時から6時とします。しかし質問はいつでも受け付けます。教員が不在のときもあり、アポイントメントを取得して来室することが望ましい。
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
局所解剖
1.  解剖学の安全倫理と体内時計の合わせ方解剖学実習を安全にかつ倫理的にすすめるために必要な基礎知識
ホルマリン対策・関連の法律・成績の判定・体内時計の合わせ方
2.   kinesiology基礎・筋肉学は力学・力学の観点から、筋、骨、靱帯の運動について学びます
3.   循環 血管の解剖学を学ぶ
4.  kinesiology起立するための筋肉と骨構造・姿勢と脊柱起立筋
5.  CT講義基礎(放射線診断学)CT読影の基礎を学ぶ。
6.  MRI講義基礎(放射線診断学)MRI読影の基礎を学ぶ。
7.胸部CT解剖講義(放射線診断学)胸部 CT読影の基礎を学ぶ。
8.  腹部CT解剖講義(放射線診断学)腹部 CT読影の基礎を学ぶ。

人体解剖講義・実習
1. 頚・胸・腹部体表観察と皮切り・広頚筋と乳腺・胸腹部の皮静脈と皮神経 S1-3
頚・胸・腹部体表観察と皮切りを行い、広頚筋、乳腺、皮静脈、皮神経、胸筋筋膜と腋窩筋膜、浅腹筋膜について学ぶ。

2. 大胸筋と外腹斜筋・頚神経叢の枝と胸鎖乳突筋 S4、5
胸筋筋膜をはぎ、大胸筋、外腹斜筋について学ぶ。また、頚の皮静脈と皮神経、唾液腺、胸鎖乳突筋について学ぶ。

3. 頚部のやや深層・胸部の深層と腋窩 S8、9
胸鎖乳突筋を切り、肩甲舌骨筋と頸神経叢、舌骨下筋群と頸神経ワナ、内頸静脈と総頸動脈、前斜角筋と横隔神経について学ぶ。また、大胸筋を切り、小胸筋について学ぶ。

4. 背なかの皮切り、背なかの浅筋 S6、7
背中とうなじの体表の観察と皮切りを行い、背中の皮神経、胸鎖乳突筋と僧帽筋、副神経と頸横動脈、広背筋と外腹斜筋について学ぶ。

5. 胸腰筋膜と固有背筋・後頭下の筋 S26、27
胸腰筋膜、固有背筋、うなじの靱帯と筋群について学ぶ。

6. 脊髄・鎖骨下動静脈とその枝 S28、10
脊柱後面の靱帯を観察後、脊柱管を開き、脊髄と脊髄神経節をそのままの位置で観察後、脊髄を取り出す。また、鎖骨を切り、鎖骨下動静脈と腋窩動静脈、胸管、鎖骨下動脈の枝について学ぶ。

7. うでの皮切りと腕神経叢・上腕屈側の筋と神経 S11、12
うでの体表の観察、皮切り(手首まで)を行い、皮静脈と皮神経、腕神経叢、三角筋、上腕の3つの屈筋、上腕動静脈と正中神経、腕神経叢の枝について学ぶ。

8. 肩甲骨の前面の筋・上腕伸側と肩甲骨背面の筋・上肢の切り離し S13-15
前鋸筋、肩甲下筋、上腕三頭筋、肩甲骨の後ろの筋について学ぶ。また、上肢の切り離しを行う。

9. 前腕屈側の浅い層・前腕の伸側と手背・手のひらの皮切りと手掌腱膜・手のひらの浅い層 S16-19
前腕の屈筋群と伸筋群について学ぶ。また、手背と手のひらの皮切りを行い、手掌腱膜、母指球の筋、小指球の筋、血管と神経、指の屈筋の腱、虫様筋について学ぶ。

10. 手の深い層・上肢の血管と神経のまとめ、肩関節とその周辺・肘・手首・手と指の関節 S20-25
前腕の屈側、手のひら、手の甲の深い層について学ぶ。また肩関節の周囲の筋と関節について学ぶ。さらに、肘・手首・手と指の関節について学ぶ。

11. 胸壁・胸腔を開く・胸膜と心膜・肺・頚の根もとの深層 S29、S35-38
肋間の筋、壁側胸膜、胸腺、心膜、胸膜腔について学ぶ。また、肺を自然位で観察後、肺の切り出し、肺の構造について学ぶ。さらに、鎖骨下動静脈とくびの大血管、心臓に分布する神経について学ぶ。

12. 縦隔・心臓の外景・心臓の内景・縦隔の深部 S39-42
心臓に出入りする大血管を観察後、心臓を切り出し、心臓の外面、心臓壁の血管について学ぶ。また、反回神経と動脈管索、心臓神経叢、気管と食道、迷走神経、胸大動脈と胸管、胸部の交感神経幹について学ぶ。

13. 鼡径部と側腹筋群・腹直筋鞘・横筋筋膜と腹膜・臍 S30-33
下腹部の体表の観察、皮切りを行い、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、腹直筋鞘の前葉と白線、腹直筋、腹直筋鞘の後葉、横筋筋膜、壁側腹膜、深鼡径輪、臍の裏側、臍の表側について学ぶ。

14. 腹部内臓の自然位での観察・腹部内臓の位置・腹膜と腹膜腔・腹部内臓に分布する血管と神経・空腸と回腸と結腸 S34、43-46
肝臓、胃と大網、腸管、浅在内臓、深在内臓の自然位での観察し、腸間膜、結腸間膜、胃間膜、網嚢、腹膜腔、腸間膜の血管と神経、胃の周囲の血管と神経について学ぶ。また、腸管を切り出し、結腸と小腸の区別、腸管の内面、腸管の壁について学ぶ。
予習内容:各項目に該当する内容について教科書や参考書などにより調べておく。(60分)
復習内容:講義内容について教科書や参考試料も参照して理解に努める。(60分)

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