2019年度シラバス
学部・学科の教育方針/カリキュラムツリー等へのリンク
科目名
人体構造Ⅲ
シラバスNO
1911900074
担当教員
重吉 康史,長野 護,松尾 拓哉,鯉沼 聡,筋野 貢,中嶋 正人,吉川 朋子,南 陽一,赤木 將男,磯貝 典孝,植村 天受,下村 嘉一,竹山 宜典,土井 勝美,濱田 傑,松村 謙臣,宮田 信吾,小西 啓悦,金澤 佑治
開講年次
1年次
単位
65時間
開講期
後期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
必修科目
英文科目名
備考
授業概要・方法等
ヒトの“からだ”の成り立ちを理解するためには人体の構造と機能について学ばなければならない。まず基礎的な構造を理解し、それぞれの体の各部分部分が総合的に人体を作り上げていることを理解する。構造を理解すれば、その機能についての知識が生きたものとなる。実物標本や御献体の解剖を行うことにより、まず医学の第一歩を踏み出し、正しい知識と理解を身につけることを目標としている。特に当教室では臨床医学講座、病理学講座よりの講師による解剖学講義をユニット内で取り入れている。それによって、スムーズにその後の学習に進むことができる。また、組織学講義は生理学の知識と結びつけることを重視し、講義内で、組織学と同時に生理学の基礎について触れる。これらの複合化した講義、実習によって、構造、形態が生理、病態生理と密接に関連していることを理解し、基礎医学から臨床医学にいたる総体としての医学知識を身につける。
アクティブ・ラーニングの形態
実験・実習科目
ICTを活用したアクティブ・ラーニング
-
使用言語
日本語
学習・教育目標及び到達目標
関連ディプロマポリシー( 3つ以下)
①よい医師を育てたいとの貴重なご遺志を感じながらご遺体の解剖に取り組むこと。
②医師として必要な基本的な解剖学の知識を身につける。
③解剖学の知識を応用して生理学、病理学、臨床医学における問題に取り組むことができる。

関連教育アウトカム( 3つ以下)
①倫理とプロフエツショナリズム
②医学的知識
③協調精神、チームワークの涵養
キーワード(5 つ以下)
倫理、人体構造、組織構築、発生、運動器


【学習目標】
1.胃・肝臓・十二指腸・膵臓・脾臓、腎臓と副腎について理解する。
2.後胸壁と後腹壁・横隔膜と腰神経叢について理解する。
3.下肢の皮静脈と皮神経・大腿筋膜と大腿筋について理解する。
4.大腿前面の深層・殿部の深層について理解する。
5.大腿後面の深層・膝窩と下腿後面・下腿の前面と足背について理解する。
6.足底・下肢の最深層・膝の関節・足の関節について理解する。
7.膀胱とその周辺・精巣・男性女性の外陰部・男性、女性の会陰について理解する。
8.男性の骨盤内臓の位置・骨盤の血管と神経・男性の骨盤内臓・骨盤壁の筋と股関節・女性の骨盤内臓の位置・女性の骨盤内蔵・骨盤壁の筋と股関節について理解する。
9.頚の深層・顔の浅層について理解する。
10.咽頭・甲状腺と気管・喉頭について理解する。
11.脳出し・あたまの切半と口腔・鼻腔と咽頭鼻部について理解する。
12.咀嚼筋と下顎管・顎関節と側頭下窩・舌と口蓋・副鼻腔と翼口蓋神経節・眼球を前から見るについて理解する。
13.眼窩の内容・眼球など・舌下神経管と頚静脈孔・外耳と中耳・内耳・翼突管と頚動脈管と耳神経節について理解する。
14.末梢神経系について理解する。
15.リンパの循環系について理解する。

【到達目標】
以下の項目の筋肉の起始、停止、機能、支配神経・神経叢の構成と分布領域・血管、神経の走行および語句などについて絵を描いて説明できる。
1.胃粘膜・大十二指腸乳頭・胆汁の経路・肝区域・幽門括約筋・幽門括約筋とダンピング症候群の関係・黄疸と膵臓癌の関係・門脈と脾肥大の関係。
2.大動脈・奇静脈・横隔膜・ナットクラッカー症候群(現象)・腰椎椎間板ヘルニア。
3.体表から触れられる下肢の骨・下肢の神経、静脈・デルマトーム・大殿筋・中殿筋。
4.大腿管・筋裂孔・血管裂孔・大腿三角・内転筋管・大腿四頭筋・梨状筋と周囲の動脈、神経・大腿骨を外旋する筋群。
5.ハムストリング筋・鵞足・膝窩・坐骨神経・脛骨神経・総腓骨神経・浅腓骨神経・深腓骨神経・腓骨神経麻痺を起こしやすい部位・下垂足と鶏歩。
6.長指屈筋・足底方形筋・中様筋・足の指の内転と外転に関与する筋・下腿および足部で脈拍を採り易い部位・心房細動と血管閉塞の関連・足部のアーチ・下腿の血管・膝関節・内側側副靭帯損傷の診断方法・前、後十字靱帯が断裂・距腿関節・足根中足関節(リスフラン関節)。
7.精索・陰茎・尿生殖隔膜・骨盤隔膜、坐骨直腸窩・浅会陰隙・深会陰隙・内陰部動静脈・陰部神経・精索静脈瘤はどうして左に多いのか。
8.男性及び女性の骨盤内臓の位置関係と排尿路・内腸骨動脈・腰神経叢と仙骨神経叢・前立腺・精嚢・子宮・卵管・卵巣・子宮広間膜・腟・直腸と肛門・股関節の周りの筋と靱帯。
9.内頸動脈と外頸動脈の見分け方・外頸動脈・頸動脈洞の位置と働き及び同類のもの・眼角静脈—上眼静脈—海綿静脈洞の炎症の波及路・顔面で脈拍をよく触れることができる動脈・中枢性と末梢性顔面神経麻痺で表情筋麻痺の違い・頸動脈三角と顎下三角。
10.食物を飲み込む際の仕組み・舌下神経、上喉頭神経、迷走神経、交感神経幹、頚胸神経節・甲状腺はどうして豊富な血管を必要とするのか・気管切開はどの高さで行うのが良いか・披裂軟骨の筋突起に付いている筋・高い声を出すときには喉頭筋のどの筋を収縮させればよいのか。
11.内頭蓋底における神経、血管・脳硬膜・硬膜静脈洞・外舌筋と内舌筋の違い・鼻腔の側壁と鼻中隔の血管と神経・副鼻腔・鼻涙管、耳管・咽頭鼻部の筋。
12.咀嚼筋・下顎管・顎関節・顎動脈・下顎神経・舌に分布する神経・硬口蓋・大口蓋神経と小口蓋神経・大口蓋管・下行口蓋動脈・翼口蓋神経節・眼球を取り巻く構造物の位置関係。
13.眼神経・毛様体神経節・外眼筋・耳小骨・顔面神経・舌神経・鼓索神経・乳突洞・乳突蜂巣・アブミ骨筋・鼓膜張筋・顔面神経・顔面神経麻痺における症状の違い。
14-1.自律神経系・壁内神経節・内臓反射の代表的な経路・脊髄神経について説明できる。 
15-1.リンパ本幹・胸管・乳房のリンパの流れ・腋窩リンパ節・
ウィルヒョウ(Virchow)のリンパ節・センチネルリンパ節について説明できる。
系統解剖実習において実習書に記載のある構造物を指摘できる。
成績評価方法および基準
定期試験 70%
レポート 30%
試験・課題に対するフィードバック方法
試験終了後、試験問題を掲示する。
教科書
[ISBN]9784525103118 『解剖実習の手びき』 (寺田 春水, 南山堂 : 2004)
[ISBN]9784890133055 『カラー人体解剖学―構造と機能:ミクロからマクロまで』 (F.H. マティーニ, 西村書店 : 2003)
参考文献
[ISBN]9784260020862 『グラント解剖学図譜 第7版』 (坂井 建雄, 医学書院 : 2015)
[ISBN]9784524261178 『人体解剖カラーアトラス』 (ジョナサン・D.スプラット, 南江堂 : 2015)
[ISBN]9784758120258 『臨床につながる解剖学イラストレイテッド』 (松村 讓兒, 羊土社 : 2011)
[ISBN]9784902496406 『CT・MRI解体新書―正常解剖』 (リブロ・サイエンス : 2012)
[ISBN]9784765315067 『カラー図解 神経解剖学講義ノート』 (寺島俊雄, 金芳堂 : 2011)
[ISBN]9784860343064 『グレイ解剖学 原著第3版』 (Richard L. Drake, エルゼビア・ジャパン : 2016)
[ISBN]9784524243679 『Ross組織学』 (Michael H. Ross, 南江堂 : 2010)
[ISBN]9784895922937 『スネル臨床解剖学』 (R.S. スネル, メディカルサイエンスインターナショナル : 2004)
関連科目
生理学 病理学
授業評価アンケート実施方法
実施規程に準拠して行う。
研究室・メールアドレス
anatomy@med.kindai.ac.jp
オフィスアワー
水曜4時から6時とします。しかし質問はいつでも受け付けます。教員が不在のときもあり、アポイントメントを取得して来室することが望ましい。
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
系統解剖講義
1.末梢神経  末梢神経の構成を学ぶ。
2.リンパ系  リンパ組織の構成を学ぶ。

人体解剖講義・実習
15. 胃・肝臓・十二指腸・膵臓・脾臓、腎臓と副腎 S47-50
胃、肝臓、十二指腸、膵臓、脾臓を取り出し、外景、内景、筋層について学ぶ。また、腎臓と副腎を自然位で観察し、腎臓と副腎に分布する血管と神経、さらに、腎臓と副腎を取り出し、腎臓の内部構造について学ぶ。

16. 後胸壁と後腹壁、横隔膜と腰神経叢 S51、52
胸大動脈と腹大動脈、下大静脈と奇静脈系の概観、胸管の全経過を観察する。また、横隔膜の起始と停止、横隔膜を貫くもの、横隔膜に分布する血管と神経、後腹壁内面の筋、腰神経叢について学ぶ。さらに、下半身の切り離しを行う。

17. 下肢の皮静脈と皮神経・大腿筋膜と大腿筋 S53、54
下肢の体表の観察し、大腿前面、殿部と大腿後面・下腿後面、下腿前面と足背の皮切りを行い、大腿筋膜、大殿筋などについて学ぶ。

18. 大腿前面の深層・殿部の深層 S55、56
大腿管、大腿三角とその周辺、大腿四頭筋と内転筋管、梨状筋とその周辺、大腿骨を外旋する筋群について学ぶ。

19. 大腿後面の深層・膝窩と下腿後面・下腿の前面と足背 S57-59
大腿後面の屈筋群、坐骨神経の経路、大内転筋について学ぶ。また、膝窩動脈の枝について学ぶ。さらに、下腿の屈筋群、伸筋群、腓骨筋群、足背の筋と血管・神経について学ぶ。

20. 足底・下肢の最深層・膝の関節・足の関節 S60-63
足底の皮切りを行い、足底腱膜、足底の筋群と血管・神経について学ぶ。また、膝関節腔を開き、膝関節腔の内景、足首の関節、脛骨と腓骨の下端部の連結、足根骨の間の関節、指の関節について学ぶ。

21. 膀胱とその周辺・男性の外陰部と精巣・女性の外陰部・男性の会陰・女性の会陰・骨盤の切半 S64-67
尿管と膀胱、骨盤壁の血管と神経について学ぶ。また、男性では陰嚢と精索、精巣と精巣上体、陰茎、女性では大陰唇と小陰唇、腟の前庭、前庭球と陰核について学ぶ。さらに、尿生殖隔膜、骨盤隔膜について学ぶ。また、骨盤の切半を行う。

22. 男性の骨盤内臓の位置・女性の骨盤内臓の位置・骨盤の血管と神経・男性の骨盤内臓・女性の骨盤内臓・骨盤壁の筋と股関節 S68-71
外腸骨動脈、内腸骨動脈とその枝、骨盤内の神経叢について学ぶ。また、尿道、直腸、肛門、さらに、男性では前立腺、女性では卵巣、卵管、子宮、腟について学ぶ。また、股関節の周りの筋、股関節、仙骨と腸骨の関節について学ぶ。

23. 頚の深層・顔の浅層 S72、73
頚部の血管、脳神経の復習後、頭部の切り離しを行い、頭部の体表の観察後、顔の皮切りを行い、表情筋、耳下腺と顔面神経、舌骨上筋群などについて学ぶ。

24. 咽頭・甲状腺と気管・喉頭 S74-76
咽頭の後壁と脳神経の観察後、咽頭を切り開き、内部構造について学ぶ。また、喉頭の切り出し、甲状腺、気管、喉頭腔を観察し、甲状軟骨を一部分取り去って、喉頭の内部構造について学ぶ。

25. 頭蓋の内面・頭の切半と口腔・鼻腔と咽頭鼻部 S77-80
脳硬膜と脳神経を観察後、脳硬膜を剥ぎ、下垂体を取り出す。また、頭の切半を行い、口腔、鼻中隔、鼻腔の側壁、副鼻腔、咽頭について学ぶ。

26. 咀嚼筋と下顎管・顎関節と側頭下窩・舌と口蓋・眼球を前から見る S81-85
咬筋、側頭筋について学ぶ。また、下顎管、顎関節、側頭下窩について学ぶ。さらに、歯、口蓋、翼口蓋神経節、眼瞼と結膜、涙嚢、瞼板、涙腺について学ぶ。

27. 眼窩の内容・眼球など・舌下神経管と頚静脈孔・外耳と内耳・内耳・翼突管と頚動脈管と耳神経節 S86-91
眼窩の上壁を開き、眼窩の内容、毛様体神経節、血管、神経について学ぶ。また、眼球を取り出し、眼球の外景、内景について学ぶ。さらに、外耳、中耳、内耳の構造について学ぶ。また、翼突管神経と大錐体神経、耳神経節などについて学ぶ。
予習内容:各項目に該当する内容について教科書や参考書などにより調べておく。(60分)
復習内容:講義内容について教科書や参考試料も参照して理解に努める。(60分)

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