2021年度シラバス
学部・学科の教育方針/カリキュラムツリー等へのリンク
科目名
流通システム論Ⅱ
シラバスNO
2111400526
担当教員
大内 秀二郎
開講年次
単位
2単位
開講期
分野
科目区分
専門科目
必修選択の別
英文科目名
Distribution System Ⅱ
備考
「流通システム論Ⅱ」の履修には「流通システム論Ⅰ」を同一年度に履修登録または過年度に単位取得
授業概要・方法等
私たちは日常生活において多種多様の商品を消費します。一方で私たちは,これらの商品が誰によって生産されたか,どこで生産されたかについては,知らないことが多いでしょう。生産と直接接することなく商品を入手し消費できるのは,生産と消費との間に介在する流通が機能しているためです。流通のしくみは「流通システム」と呼ばれます。「流通システム論」の講義では,流通システムの現状を具体的事例を通じて紹介するとともに,流通システムの構造とその生成・発展に関する理論的枠組みを解説することにより,現代の流通システムを分析する「目」を養うことを目的とします。そのうち,「流通システム論Ⅱ」では,「同Ⅰ」で学んだ基礎概念をふまえて,日本の流通システムの動態的発展について考察します。
★「流通システム論Ⅱ」を履修するには,「流通システム論Ⅰ」の単位を既に修得しているか,もしくは今年度に履修していなければなりません。
授業形態/アクティブ・ラーニングの形態
オンデマンド授業・アクティブラーニング形態については該当なし
ICTを活用したアクティブ・ラーニング
自主学習支援(e-learning等を活用)
使用言語
日本語
学習・教育目標及び到達目標
流通システムの動態的発展の原理を理解し、日本の流通システムの現状と課題を理論的に分析する能力を修得すること。
なお、この科目の修得は、本学科の定めるディプロマポリシー2「思考・判断」および4「知識・理解」の達成に関与しています。
成績評価方法および基準
期末に実施される定期試験 70%
各回の授業後に実施される小テスト 15%
授業内において課されるレポート(3回程度実施予定) 15%
試験・課題に対するフィードバック方法
試験期間終了後に、試験の要点と解説をGoogle Classroomに掲載します。
教科書
教科書は特に指定しません。講義中に配布するレジュメにそって講義を行います。
参考文献
[ISBN]9784561652342 『体系流通論 [新版第2版]』 (田口 冬樹, 白桃書房 : 2020)
[ISBN]9784502297915 『流通論の基礎(第3版)』 (中央経済社 : 2019)
[ISBN]9784502283611 『1からの流通論(第2版)』 (石原 武政, 碩学舎 : 2018)
[ISBN]9784641123984 『ベーシック流通と商業 新版 -現実から学ぶ理論と仕組み (有斐閣アルマ)』 (原田 英生, 有斐閣 : 2010)
[ISBN]9784641177109 『流通論をつかむ (テキストブックス「つかむ」)』 (渡辺 達朗, 有斐閣 : 2008)
[ISBN]9784641120143 『現代流通―理論とケースで学ぶ (有斐閣アルマ)』 (矢作 敏行, 有斐閣 : 1996)
[ISBN]9784805108000 『流通原理』 (田村 正紀, 千倉書房 : 2002)
[ISBN]9784502317811 『デジタル社会のマーケティング』 (廣田 章光, 中央経済社 : 2019)
【いずれも入手可 中央図書館所蔵】

※ その他の参考文献については講義中に適宜指示します。
関連科目
【1年配当科目】商学A・B,マーケティング
【2年配当科目】マーケティング戦略論Ⅰ・Ⅱ,消費者行動論Ⅰ・Ⅱ,商業史Ⅰ・Ⅱ
【3年配当科目】流通企業戦略論,流通政策論,チャネル戦略論,ロジスティクス戦略論,E-リテイリング
授業評価アンケート実施方法
経営学部実施規程に準拠して行います。
研究室・メールアドレス
研究室:21号館8階811
E-mailアドレス:oouchi@bus.kindai.ac.jp
オフィスアワー
金曜2限
授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回      延期と投機① 生産活動の延期と投機
予習内容:祭の縁日などで出店している屋台に関して、注文を聞いてから焼きそばを作る場合と、注文を聞く前からあらかじめ調理をして作り置きをする場合の、長所・短所について考える。(30分)
復習内容:生産段階における延期・投機の原理を復習した上で、講義で取り上げたアパレルショップの生産方式の特徴とそれを採用する狙いについて検討して理解を深める。(60分)

第2回      延期と投機② 流通活動の延期と投機
予習内容:100円ショップとコンビニエンス・ストアの店の様子の相違点について考える。(30分)
復習内容:流通段階における延期・投機の原理を復習した上で、講義で取り上げた小売企業の仕入れ方式の特徴とそれを採用する狙いについて検討して理解を深める。(60分)

第3回      メーカーのチャネル戦略① チャネル構造の選択
予習内容:①資生堂の化粧品ブランドにはどのようなものがあるかを調べる。
②それらのブランドがそれぞれどのような小売店で販売されているかを調べる。(30分)
復習内容:チャネル構造の基準(長さ、幅、開閉)の意味内容を理解したうえで、講義で取り上げた事例をもちいてそれらを具体的に説明できるかを確認し理解を深める。(60分)

第4回      メーカーのチャネル戦略② チャネル・メンバーの動機づけ:取引依存度モデル
予習内容:講義で取り上げた資生堂の化粧品ブランドについて、それらのブランドがそれぞれの取り扱い店舗でどのように販売されているかを調べる。(30分)
復習内容:①「パワーと依存」の概念の意味内容を確認する。
②チャネル・メンバー間のパワー関係が取引依存度によって決まるという考え方の根拠を復習して理解を深める。(60分)

第5回      メーカーのチャネル戦略③ チャネル・メンバーの動機づけ:パワー基盤論
予習内容:チャネル・メンバー間のパワー関係が取引依存度以外の要因によって影響されることがないかどうかを検討する。(30分)
復習内容:取引依存度モデルでは十分に説明できない事象があることを確認したうえで、パワー基盤論の内容と意義を復習して理解を深める。(60分)

第6回      さまざまな取引慣行
予習内容:以下の用語の意味内容を調べる。①建値制、②リベート制(30分)
復習内容:メーカーがこれまで採用してきた様々な取引慣行の内容を確認した上で、その狙いを検討して理解を深める。(60分)

第7回      流通系列化
予習内容:流通系列化という用語の意味を調べる。(30分)
復習内容:流通系列化の類型を確認した上で、どのような場合にどのような流通系列化が採用されやすいかを検討して理解を深める。(60分)

第8回      商業者介在の意義
予習内容:商業者が社会においてなぜ必要なのかを考える(または「商学A」など既修の内容から復習する)。(30分)
復習内容:①生産者・消費者の費用負担の軽減、②商業者自身の費用優位性、の2つの観点から、商業者介在の意義を整理して文章にまとめることで、理解を深める。(60分)

第9回      商業の分化
予習内容:卸売業者が社会においてなぜ必要なのかを考える(または「商学A」など既修の内容から復習する)。(30分)
復習内容:①「商業の段階分化」の意味内容を確認したうえで、商業が段階分化することの意義について検討して理解を深める。
②「商業の部門分化」の意味内容を確認したうえで、商業が部門分化することの意義について検討して理解を深める。(60分)

第10回     業種と業態
予習内容:小売業者が総合的な品ぞろえの提供を図る際、どのような困難に直面するかを考える。(30分)
復習内容:百貨店、総合スーパー、コンビニエンス・ストアが採用した経営革新について、それぞれ内容を確認して理解を深める。(60分)

第11回     業態発展のメカニズム
予習内容:なぜ社会において多様な小売業態が登場するか(小売業態の盛衰の歴史が繰り返されるか)を考える。(30分)
復習内容:「小売の輪」理論と「真空地帯」理論の内容を確認したうえで、それらに共通する特徴や問題点を検討して理解を深める。(60分)

第12回     日本の流通システムの構造的変化
予習内容:商業統計(HPで調査結果の閲覧が可能)などから、近年の小売商店数および卸売商点数の推移について調べる。(30分)
復習内容:講義で紹介した各種統計資料に基づき、日本の流通システムにおける近年の構造変化の内容を確認して理解を深める。(60分)

第13回     流通経路の再編の現状
予習内容:取引依存度モデル(第4講の内容)の結論およびそれが示唆する現実的な意味について復習する。(30分)
復習内容:講義で紹介した各種企業事例を参照しながら、日本の流通システムにおける近年の流通経路再編の動きの内容を確認して理解を深める。(60分)

第14回     卸売業の現状と課題
予習内容:以下の業種について、主だった卸売企業にはどのようなものがあるかを調べる。①食品卸売業、②日用雑貨品卸売業、③医薬品卸売業(30分)
復習内容:講義で紹介した各種企業事例を参照しながら、近年の卸売業の現状と課題を確認して理解を深める。(60分)

第15回     講義のまとめ
復習内容:期末レポートの解説と講評を行う。(120分)
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